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2005.10.14
キース・ジャレット Solo 2005
(14)
テーマ:
LIVEに行って来ました♪(4104)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
私は、キースの真髄はソロ・インプロだと思っているので、
このソロ公演のニュースが飛び込んできた時には飛び上がりました ^^
Keith Jarrett Solo 2005
2005・10・14 初日
IN 東京芸術劇場
***
池袋って、渋谷とおんなじくらい苦手で、
よほどの用がない限り行くことはないのですが、猥雑な街を抜け、
たどりついた劇場内は落ち着ける場所。
今回、かなり前のほうの、
キースの真正面にあたる、すばらしい席をいただくことができ、
お顔の表情も手もくっきりと見られました。
私の前のほうは、各国からの外人グループが多く、
在日の方々ではなく、この公演のために来日した方々のようでした。
中段にいらした奥様のロザーンは、
いつもながら可憐な笑顔がすてき !
***
実をいうと、夏前に体調崩して以来、
家でゆっくり音楽を聴く気持ちの余裕もあまり持てなくて ...。
アルバム片っ端から聴きなおそうか、とも思いましたが、
何しろ体力も気力もない状態なので、
もうこれは自然体で、精神力だけ高めて聴きにいこう、と決めました。
そして、聴こえてきた音は、砂漠で出逢ったオアシスのようでした。
出だしのワンフレーズで涙こぼれました。
光のプリズムのように虹色にきらめく音 ...。
それは独特の和音のうねりとなって。
フォークロア調のもの、中世風のものなど、
小品の即興曲が続き、第一部終了。
第2部。
賛美歌の静かな祈りを思わせる曲で幕開け。
次に続く曲は、リストのごとく、
高音で高らかに鳴り響き、
低音の打ち鳴らしも戯曲を思わせるようでした。
そして、何曲目かを弾き始めてまもなくのこと、
どこからか 「 ハックショーン 」 という声。
途端にキースは演奏を中段してしまったのです ( ! )
立ち上がり、前を向いて、大きく手を広げ、
「 Everybody ~ 」
と聴衆に語りかけ始めました。
「 今のうちにいっぱいセキをしておいて。 ちゃんと聴いて。 」
と笑いを取り、
「 Music is difficult.」 とも。
キースが演奏を中断したのを見るのは2度目です。
2002年の東京文化会館でのソロ公演の時にも、
一人の聴衆の不用意な拍手で中断してしまいました。
その時には、一息入れて弾きなおしてくださったから良かったけれど。
誤訳による誤解があるといけないので、これ以上は
koinuma、ジャズ誌などの発表を待ちたいと思いますが、
私は悲しくて、とても笑う気になどなれませんでした。
でも、お水を飲み、気を取り直して、
また弾き始めてくださいました。
そのバラードは とても心のこもった美しいものでした。
そして何曲めかの曲を弾き終わり、
手が鍵盤から離れようとするまさにその時、
音がまだ消えていない中の早すぎる拍手と共に、
「 ガターン ! 」 という大きな物音が ( ! )
その時のキースの落胆振りっていったらありませんでした。
ピアノに突っ伏してしばらく顔をあげることができませんでした。
「 これでまた台無しになってしまったよ ..」 というように ..。
やがてゆっくり立ち上がり、
前を見て 「 Thank You. 」 と言い、奥へと ...。
私はアンコールの拍手もできないまま、呆然としてしまいました。
どうして ...。
でも、しばらくして、うつむき加減に首を左右に振りながら出てきて、
また弾いてくださいました。
アンコールに答えて3曲ほど。
ジャジーなノリのものもあったりしてホッとしました。
最後まで、キースに笑顔が戻ることはなかったけれど、
続けて弾いてくださって 「 ありがとう ...! 」
***
帰りのエスカレーターで、
1回目の事件について、たまたま耳にはさみました。
持ち込み禁止のビールを紙袋で隠して持ち込み、
ガサガサやっていたので、イヤな気がしていたら、
ついに 「 ハックショーン 」 とやったというのです。
聞いた話なので真偽のほどは確かではありませんが、
本当だったらとんでもないことです。
また、帰り際、
「 随分と神経質だね。 」
「 彼の神経質は特別だからね。」
などの声をあちこちで耳にしました。
ただ私は 、単に神経質というのと、ストイックというのとは、
全く違うと思います。
音に対する凄まじいまでの探究心があってこその、あの音だと思うから。
だからこそ、超絶技巧音列だけでなく、
楽譜にしたら小学生の子でも弾けそうなフレーズでも、
キースの手にかかると、究極の芸術になってしまうのです。
何の名誉も商業的成功もいらない。
ジャズであろうとなかろうといい。
音楽家は出す音が全て。
そう キースは身をもって教えてくれていると思います。
今回のソロ公演にどれほどの集中力で臨んでいるか、
その音から十分すぎるほど感じることができました。
それは、祈りのように感じられました。
小津安二郎の映画を愛し、
日本人の礼節さを愛している、といわれるキース。
来週の公演で、初日の出来事を払拭できる私たちでありますように !
何があっても、どんなに体調悪くても、這ってでも行きます !!!
***
Keith Jarrett 過去日記
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Last updated 2005.10.16 22:21:55
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