阪神タイガース  われら猛虎党







虎・鳥谷が第1号!目覚めの一発!

 (オープン戦、阪神4-7西武、6日、倉敷)カーンと左へ打ち上がった打球が、そのまま楽々、フェンスを越えていった。風もない。弾丸ライナーでもないのに、グンと伸びる。これが阪神・鳥谷の“秘めたる力”だ。両翼99.5メートル、倉敷マスカットスタジアムが、衝撃の放物線に揺れた。

〔 写真:四回無死。鳥谷が、カーンと左へ打ち上げた打球が、そのまま楽々、フェンスを越え 〕


 「たまたまですよ。ボール球でしたし。来た球を打つだけです」

 復活を告げるオープン戦第1号弾は、プロ入り後、自身初めて左翼スタンドへぶちこむ一撃。謙遜しながらも、「(左への一発は)いいことだと思います。よかったです」と素直に喜びも見せた。

 四回無死。マウンドにはこの回から、レオのD1巡目ルーキー涌井(横浜高)。注目の第1球、高め149キロをいきなり捉えた。昨年は自分が黄金ルーキーとして話題を集めた。「球が速いしいい球がきてました。意識はしてなかったですが」と言いながら、先輩として、18歳の若獅子にプロ初失点を刻み込んだ。

 しかも左翼へ、だ。2年目の課題は内角の克服だった。昨秋キャンプから、中西太臨時打撃コーチの指導のもと、掛布雅之氏のような打法で、力強い軸回転を徹底。右へ強い打球を目指した。今春キャンプではその成果を披露。練習試合、紅白戦計7試合で22打数10安打、9打点、3本塁打と打ちまくった。しかし当然、壁にはぶつかる。オープン戦に入ってスイングが崩れた。厳しい内角攻めを受け、前日5日までの4戦は打率.150。そんな中で目覚めた本来の長所だった。

 「なかなか左へ大きな当たりが少なかったですからね。学生時代から、困ったときは左中間。持ち味は殺さないようにしたい」。今年1月。自主トレでの言葉だ。昨年、左への一発は0。金本が逆方向への長打で進化を見せたことを、真剣な眼差しで語っていた。「率を残せる人は逆方向へも打てる。それがキーだと。甲子園で左方向へ打てたら大きいですね」。

 浜風を味方に、引っ張って、流せる。それが“掛布打法”。片鱗を見せる一撃に、岡田監督も「スイングが強くないとなかなか逆方向へは打てないからな。浜風? 甲子園やったらなあ」と、納得の表情を見せた。

 衝撃弾の後は、五回二死満塁で涌井から鋭い中直。九回一死二、三塁でも中犠飛を放ち、この日は3打点。

 「その後の打席も、しっかりと捉えられたんで」。少しばかりの満足を得て、鳥谷はバスへ乗り込んだ。もがき苦しみながら、少しずつ、輝きは本物に変わる。

久保田・藤川が2戦連続無失点!

 スコアボードに浮かぶ数字が、早くも春の到来を告げていた。『153キロ』。昨年の日本一軍団を前に、阪神の新守護神・久保田の仁王立ちは凄みをましていた。

〔 写真:久保田がオープン戦で153キロを計測。新守護神は2戦連続無失点に手応え 〕


 貫禄すら漂う。九回。簡単に2人を料理すると、後藤武には渾身の速球をズドン。スピードガンは『153キロ』を続けて2度、計測した。四球にはなったが、球威で圧倒。続く栗山には中越え二塁打されたが、最後は胸元149キロで片岡のバット黙らせた。

 「順調にきています。ゼロを続けていきたいですね」

 2月26日のオリックスとのオープン戦(安芸)で最終回を1安打無失点。この日も1安打無失点でピシャリと抑えた。ルーキー能見も実戦3試合で無失点。“負けてられへん”とばかりに、ゼロ行進宣言だ。

 守護神の右肩に自然と力が入ったのには、訳がある。八回に登板した、同じ『松坂世代』の藤川の存在だ。今季はウィリアムスとともに久保田へとつなぐリリーフ陣の一角を担う右腕が、MAX149キロをマーク。代打・星を高めの速球で空振り三振にも仕留めた。

 1回1安打無失点でセットアッパーの役割をきっちり果たす。27日のオリックスのオープン戦で2回無失点。「高めにいい球? 意識していたのと違いますけど、腕が振れているのがよかった」。こちらも、2戦連続無失点に手応えだ。

 球威だけでネット裏に陣取った偵察部隊をビビらす。中日・安田スコアラーは「藤川は今までで一番よかった。久保田を打ち崩すのは難しいよ」と、早くも警戒警報を発令した。

 初めて融合した同期リレーに、久保投手コーチも「力強くていい。あとは変化球のコントロール。後ろは順調にきている」と顔をほころばせる。

 最速156キロを誇る守護神を最後に据え、しり上がりに球威が増すのが2005年版勝利の方程式。ウィリアムスを含めた公式が、最高の答えを導き出す。

福原まさかの大炎上!

 目を覆いたくなるような惨状だった。満を持して上がったオープン戦初マウンドで、阪神・福原が3回を被安打9、6失点。まさかの大炎上だ。

〔 写真:福原がまさかの6失点。次回の登板で見せ場をつくってほしい 〕


 「ボールが高かったですね。単調にいき過ぎました。次はそのへんを考えて投げていきたいですね」。帰りのバスに乗り込む足取りもさすがに重たかった。

 2番手として五回から登板。二死一塁から中島に140キロの直球を左翼席に運ばれて、2点を失った。六回は2度の暴投に、柴田の2ランを含む6安打を集中されて4失点。志願の延長登板となった七回は一死一塁から遊ゴロ併殺で何とか0点に抑えたが、レオ打線の猛威にさらされた悪夢の時間だった。

 背番号28の乱調に久保投手コーチは苦笑を浮かべ、「ゲーム勘が遠ざかり過ぎていた。こちらのミスです」とかばった。2月23日の紅白戦(安芸)の3回無失点以来となる実戦マウンド。打者との感覚に微妙なズレが生じていたことが大量失点につながったと見ている。中日・安田スコアラーも「オープン戦初登板なので、昨年のいい時と比べるのは難しい」と“参考外”の考えだ。

太陽が西武相手に4回1失点!

 第2関門も突破した。先発ローテ候補の阪神・太陽が6日、2度目のオープン戦登板。昨年の王者相手に先発し、4回4安打ながら1失点に抑えた。

〔 写真:太陽が4回を4安打1失点。“雑草魂”でローテ入りだ! 〕


 「4イニング投げられたのがすごい。一番下から這いあがるボクのようなピッチャーは開幕に入れるように謙虚に。雑草魂ですね」

 立ち上がり制球に苦しむ。一回、いきなり無死満塁のピンチを背負った。だが、ここから“雑草魂”が頭をもたげる。4番・貝塚を決め球フォークで空振り三振。右犠飛で1点を失ったが、小関を真ん中141キロ直球で空振り三振に打ちとり、最少失点で食い止めた。

 以降も三、四回も走者を背負う苦しい展開ながら、要所はしっかり抑えた。

 「変化球が高めに抜けたのが課題。(次は)自分のカウントを作って勝負したい」。降板後、すぐさまブルペンで50球を投げ込み、修正に取り組んだ。

 「きょうは悪かったけど、最少失点でしのいだし。何とかギリギリの所で踏ん張ったな」。4回を投げきった右腕に、岡田監督も先発ローテの一角として“合格点”を与えた。ドラ1として輝いた太陽が、今は雑草となって、着実に成長している。








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Last updated  2005年03月07日 06時28分08秒
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