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決め手はアニキ!新井、阪神入り一発OK…4年総額12億円!

新井(右)が沼沢本部長(手前)、黒田編成部長(左)と初交渉(代表撮影)
 決め手はやっぱりアニキ!! 広島からFA宣言した新井貴浩内野手(30)が15日、宮崎市内のホテルで阪神と初交渉。「勇気ある決断をした君が欲しい」の殺し文句と、4年総額12億円の条件提示を受け、移籍は決定的となった。何よりの決め手がFA移籍の先輩、金本知憲外野手(39)の存在であると公言。アニキと新井のタッグはもう熱くなっている。


 目標のあの人と野球ができる。素直な思いが、虎入りを後押しした。阪神との約1時間の初交渉を終え、終始緊張の表情だった新井の顔が、パッと華やいだ。広島入団時から慕う「アニキ」の名前を、耳にしたときだ。

 「(金本は移籍を決める大きな要素かと聞かれ)そうですね、そうなると思う」

 これまでFA移籍は、「自分自身で決めること」とかたくなに言ってきた男が、公の場で初めて、アニキが移籍の決め手であると明かしたのだ。

 8日に広島市内で涙のFA表明。すぐさま新井は、アニキに電話を入れた。返事は「あっ、そう」。実にそっけないが、怒られ、励まされ、ちゃかされ、かわいがってくれたアニキ流の歓迎メッセージであることは、十分にわかった。

 プロ入り当初は非力だったため、広島市内のジムで元日から一緒に汗を流すなど、常に金本の背中を追ってきた。ついに、広島からFAで阪神移籍という同じルートを、たどることになる。

 もちろん、「勇気ある決断をした君が欲しい」という沼沢球団本部長の殺し文句も胸に響いた。涙の会見の意味を理解してくれたことが、うれしかった。

 4年12億円の条件提示も受けた。「内野手としてクリーンアップを打って欲しい」と同本部長から頼まれた。岡田監督、宮崎オーナーからの熱烈歓迎も伝え聞いている。

 「チームとして必要としていると言っていただいた」

 会見後は沼沢球団本部長ら阪神幹部と夕食。鍋をつついて、同じ釜のメシ。濃密な時間だった。

 人気球団でプレーするには相当の覚悟がいる。しかも、甲子園という「熱気がすごくて、相手として、いいものではなかった」という大声援を受けてのプレー。大きなプレッシャーを背負ってのパフォーマンスが義務づけられる。それでも、後戻りをする気はない。

 「いろいろなことが動きだしたな、という感じ。家族と話し合って前向きに考えていきたい」

 次回交渉は未定ながら、現状では阪神以外から誘いはない。人気球団の阪神、大声援の甲子園、そして、アニキの存在。微動だにしない“強力トライアングル”が、新井の虎入りを邪魔することを許さない。早ければ日本代表宮崎強化合宿終了後の21日に、虎の新井が誕生する。


阪神との交渉を終え、緊張の表情で会見する新井
【新井一問一答】

 ――交渉を終えて

 新井「いろいろ話していただいて、うれしく思います」

 ――交渉の中身は

 「チームとして必要としていると言っていただいた」

 ――入団への気持ちはどれくらい強くなった

 「初めての交渉だったので、まだまだ気持ちの整理ができていない。家族と話し合って前向きに考えていきたい」

 ――阪神の印象は

 「投手がすばらしく、チームとしてまとまりがある」

 ――岡田監督や宮崎オーナーも期待している

 「本当にそういっていただいて感謝しています。前向きに考えていきたいと思います」

 ――タテジマで甲子園という姿を想像することは

 「まだそこまでは想像できません」

 ――他球団からのオファーは

 「他はありません」

 ――悩んでいたことが段々前に進んでいっているということ

 「動き出したということ。いろいろなことが動き出した」

 ――近いうちに入団を決めるということは

 「2、3日で、ということはない」

■金本と新井の師弟関係
 99年に広島に入団した新井は、広島出身の金本を兄貴分として慕い、オフにはともに地元のトレーニングジム「アスリート」で筋トレをする仲に。03年の金本の阪神移籍後も交流は続き、05年オフには、本塁打王を獲った新井に金本が『ホームラン天狗』Tシャツを作ったり、ジョーク交じりで「新井さん」と敬称付きで呼んだりして冷やかした。新井は金本に倣って鹿児島・最福寺で護摩行に取り組んでいる。金本は「(新井に)目をかけたのは、江藤がFA移籍して、当時の広島は右打者が必要だった」と後に語っている。


★連絡?ないない

 弟分の交渉日にも、アニキは静観を決めこんだ。金本は左ひざのリハビリで甲子園のクラブハウスを訪れ「新井から連絡? ないない、何かあったら言うよ」。正式に移籍が決まれば、一気に“ネタ放出”のムードを漂わせた。

★沼沢球団本部長してやったり…

 鮮やかな殺し文句で、新井のハートを撃ち抜いた。「勇気ある決断をしたキミが欲しい。君が阪神に必要だ」。交渉後の沼沢正二球団本部長は少々悦に入っていた。

 「正直手応えを感じましたね。グラウンドでは豪快なプレーを見せられてきましたが、会えば好青年でナイスガイ。ますます欲しくなりました」

 前夜、一足早く宮崎入りし、一晩かけて決めゼリフを熟考。涙のFA会見を見た感想をそのまま言葉で伝えた。「苦しんでも前に進んでいく姿に感服した」。気取った言葉でなく、思いをそのままぶつけた。

 4年総額12億円の条件提示も済ませた。あとは返事を待つ。「できるだけ早く欲しいが、本人が決めることですから」と気遣う余裕すら見せていた。

★福留といつ会う?

 沼沢本部長は、初日交渉に失敗した福留の代理人、水戸重之氏から連絡があったことを明かしたが、交渉日時は設定できなかった。「まだ調整中。(福留側から)大阪に出向きたいという話は聞いていますが…」。16日に交渉する可能性も残されているが、不確実。できるだけ早く会って、福留の動向をつかみたい。

■阪神・過去のFA交渉
 ★清原和博(西武) 96年11月15日、東京都内のホテルでの初交渉に吉田義男監督が同席。吉田氏の「タテジマをヨコジマに変えるぐらいの気持ちで」という言葉に、清原は「汗ビッショリになりました」。2度の交渉後、巨人入りが決定。
 ★片岡篤史(日本ハム) 01年12月19日、都内のホテルでの3度目の交渉に星野仙一監督が同席。星野氏は「オレも(監督を引き受ける時に)悩んだ。一緒にタイガースを再建しよう」。翌日、片岡は入団表明。
 ★金本知憲(広島) 02年11月15日、岡山市内のホテルでの第2回交渉に星野仙一監督が同席。星野氏は「優勝するために必要な選手。とにかくランナーをかえしてほしい」。金本は「全身全霊をかけてタイガースのためにがんばりたい」と阪神入りを決意。











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Last updated  2007年11月16日 18時42分18秒
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