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ジャン・ティンゲリーは、ジャンク・アート(廃物芸術)、キネティック・アート(動く芸術)の第一人者。

なーんて、知った風に書きましたけど、手元にある資料からの引き写し。

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ホストファミリーに「バーゼルに行こうと思います。」と言ったら、「君は芸術に興味があると言っていたね。なら、是非、ティンゲリー美術館に行くと良いよ。面白いから。」と言われ、素直に従った結果です。

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ライン川沿いの遊歩道から、ぐるりと廻って入口へ。
面白い造りの美術館。

ティンゲリー美術館(サイン)ティンゲリー美術館(正面入口)ティンゲリー美術館(マリオ・ボッタ)


正面にいきなり、ユーモラスに暴れ回っている噴水が。

いや、あの、ええ。

古びた鉄のスポークだとか、ガラクタみたいなものが寄せ集められた、赤茶けたオブジェが池の真ん中にあって、ぐるぐる動きながら水を噴き出しているのです。

ティンゲリー美術館(噴水)ティンゲリー美術館(ニキ)
(嗚呼。写真では伝わらない…。)

その奥に、ニキのカラフルな女性像。

ニキに負けないどころか、ニキ以上に主張している作品。
これがティンゲリーの作品なのです。

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いや、これは、面白い♪

実はしかし、ティンゲリーをこのblogで紹介するのは、初めてではありません。

『アートと語る/アートを語る』の話

でも、ティンゲリー、そんな小品で分かった気になるには、偉大すぎるアーティストでした。

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まずは、受付の向かい、二階まで吹き抜けの空間に、7*7*17mの作品。作品?作品です。

大きな遊具だと思って下さい。
梯子というかステップがあって昇れます。




モノとしては、『ハウルの動く…いや、『バック・トゥ・ザ・フューチャー3』で、ドクがアイスキューブとか朝食を作る、けたたましい機械を使っていたのを覚えてますか?

あれをカラフルにして、昇れるようにした感じなのですが…観てない人には通じないか。

写真ダメってなってたから、屋外作品しか撮ってないんですよね。
(なんか、でも、写真撮っている人いっぱいいたんですけど…?)

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その隣というか足元に、自動お絵描き機。
これまたガシャガシャ音を立てながら、適当な線をグシャグシャ描きます。

ペンを何度か差し替えながら、カラフルな「作品」を描かせて楽しむ親子達。

…楽し過ぎ。


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地下にはもう少しシリアスな作品。

「Dance of Death」は、死というテーマを、しかしコミカルに陽気に表現します。

ボタンを踏むと、フロア全体に展開されたいくつかのギミックが、同時に、けたたましく動き出します。

動物の頭蓋骨とか使っていますし、土台がジャンクなので、ブラックな感じはあるのですが、それが賑やかに音を立てながら動くとなると、むしろ、 『コープス・ブライド』 の死後の世界、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のジャックの世界。

そのユーモアの中に、現代の機械文明なり、精神のありように対する、一抹の皮肉な批評精神を感じさせるのが、作家のセンスであり、作品のクオリティ。

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「Pit Stop」も、F1を題材に、それらしいマテリアルと映像を組み合わせた作品。

動き出すと、機械の反射角が変化して、映像があらぬ方向に映し出されたりします。

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二階には、「アートと…」で見た作品を始め、小品が並びます。
しかし、小品だからと言って侮れません。

天井から吊り下げられた、フリーマーケットで手に入れて来たというガラクタの数々。

人に反応して、しかし気まぐれに、いきなり跳ね回って、ドンガラガッシャンと音を立てるのです。

いや、えっと?

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さらに小品の、園芸用品の廃物みたいなのを組み合わせた作品の動きの激しさには、ボタンを押した子供が、まじでびびってました。
(その後、恐る恐るボタンをもう一度押してましたけど…どうやら、一度動き終えると、しばらく反応しないみたいなんです。ちびっ子、残念。)

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ニキと組んだ作品もあります。

また、いくつかエスキースも展示されてますが、どれもイメージが横溢していて興味深いものばかり。

この人に舞台美術をお願いすると、さぞ楽しかろうなぁ。

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三階は中型の作品。
とは言え、そこそこ大きいですが。

黒い台座が腕(?)をぶん回す作品があるのですが、動きがランダム過ぎて、見ていてハラハラ。

なんで「機械」の動きにドキドキさせられるのだか。


動きとしては、大人しいものが多いので、派手さは少ないですが、その分、示唆的で思索的。

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帰りに本のコーナーを見ていたら、日本語の本が!

京都烏丸 カラスマプラザ21 に"Tinguely"という、彼の作品を擁するカフェギャラリーがあり、その時に作られた本。

このカフェ、まだあるのかしらと調べたら、「現「パリの朝市」」となっていました。( 株式会社ルシアン さんの本社ビル内にあるよう)
作品はまだあるのかな…?

また、高輪美術館に「パンデモニウム」が所蔵されてると書いてあるんですよね。

高輪美術館?名前からするとうちの近くにありそうと思ったのですが…81年に軽井沢に引越し、 セゾン現代美術館 として、現在にいたるそうです。(今年は4/22まで冬季閉館中)

うーん。でも、HPのコレクションの中にティンゲリーの名前はないなぁ…。

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ふと、この美術館自身の建築美術を扱った本が目に留まります。

へ?マリオ・ボッタ?
マリオ・ボッタですって!?

うわっ、そういうこと?
こんなとこで、この名前に出会うとは!

ティンゲリー美術館(サイン)ティンゲリー美術館(正面入口)ティンゲリー美術館(マリオ・ボッタ)


あまり建築に詳しくない私が、名前を知っているのは、ボッタ氏が ワタリウム美術館 を手掛けた建築家だからです。

ワタリさんから、ボッタ氏に建築をお願いするに至るエピソードもお伺いしましたし。

今度ワタリウムさんで館長にお会いしたら、ここの話をしよう、と思っていただけに、ちょっとツボにきました。
…絶対、館長ここに来てるよ。


今度、館長にお会いするのが楽しみです。
もしかすると、すごいエピソードとか聞けるかも♪

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建築家さんのサイトに この美術館のご紹介 がありました。

そして、こちらが公式サイト → Museum Tinguely
英語版・フランス語版もありますので♪





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Last updated  April 6, 2006 02:26:17 AM
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RonaldBus@ Transforming your landscape with gorgeous blue stone slabs. Understanding the Benefits of Choosing …
mrtk@jp @ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
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