MORITA in Cyberland

PR

Profile

mrtk@jp

mrtk@jp

Archives

August , 2025
July , 2025
January 11, 2014
XML
カテゴリ: 美術
夏目漱石 先生の『 夢十夜 』の中に、木を彫刻するのではなく、木から仏像を彫り起こす仏師の話がありますが、 円空 の仏像を見る度に、私はこの話を思い出し、この話を読む度に、脳裏に 円空 の仏像が浮かぶのです。

東京国立博物館の第5室という比較的狭い空間の中は、 円空 の仏像に満ちていました。

力強い鉈と鑿の彫跡を残しながらも、繊細で優しい造形の神仏たち。

円空1円空2円空3


私は ワタリウム美術館 さん主催の「 飛騨に円空仏を訪ねる 千光寺 さんにも2度ほど訪れていますが、何度見ても 円空仏 の「 ありがたさ 」に圧倒されてばかりです。

しかも今回は、秘仏である「 歓喜天 」が、全身を観られる形で出展されていました。
ご開帳の時ですら、厨子を開けるだけだというのに。
小さくて見過ごしてしまいそうな像ですが、本当に必見の仏様です。
(象頭の仏様2体が抱き合っている姿だということを知らないと、何を彫っているか分かりにくいかもしれません。)

円空仏 を観てしまうと、「現代」美術家の木彫など、木を弄(もてあそ)んでいるだけにしか見えなくなります。
『シュテファン・バルケンホール展』感想 参照)

山川草木悉有仏性 」の思想を背景とした、木に対する敬意、多くの人を自らの手で救おうとする心、単なる美術品ではなく、民衆の心に寄り添う「仏」であるからこそ、美しく、人を感動させるのだと思います。

飛騨に円空仏を訪ねる 」の旅行の際、先生から教えて頂いたのは、どの仏様にしても、今でもずっと信仰の対象として大切に祀られているものだから、単なる美術として鑑賞してはいけないよ、ということでした。
なので、今回も、心を込めて、手を合わせながら、拝見させて頂きました。

昨年、 円空 白隠 と、民衆の心に寄り添ってきた仏様を年始から拝見できたのは、本当にありがたいことでした。

さて、今年は何に出会えるだろう。

==========
「飛騨の円空」

  @東京国立博物館
http://www.tnm.jp

[会期]2013.1/12~2013.4/7
[休館]月曜日
[料金]一般 900円 / 大学 700円 / 高校生 400円 / 中学生以下無料

作者:円空
※今回の画像は、公式HPより引用させて頂いています。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  January 11, 2014 11:59:28 AM コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Calendar

Comments

RonaldBus@ Transforming your landscape with gorgeous blue stone slabs. Understanding the Benefits of Choosing …
mrtk@jp @ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
I read your post and wished I'd wrtietn it@ I read your post and I read your post and wished I'd wr…

Favorite Blog

ロシア生活2004-2012 koshka0467さん
 eco-blog 環境エン… 拓也@エコブログさん
Chobi's Garden chobi-rinさん
紺洲堂の文化的生活 紺洲堂主人さん
mypo MihO in Berlinさん

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: