*Muku* Blog

Netflix配信　　　　　　　

脚本：サラ・ポーリー　監督：メアリー・ハロン　　主演：サラ・ガドン

1843年、カナダ・トロントで実際に起こった殺人事件をモチーフに制作されたドラマ。

迫害を受けアイルランドから家族と共にカナダに渡った移民の娘 グレイス・マークス。

メイドとして雇われた屋敷の主人とその愛人を使用人のジェームズ・マクダーモットと共謀し殺害。逃亡するが逮捕され30年の実刑判決を受ける。

美しさが注目された16歳のグレイス・マークスを服役中に担当した精神科医サイモン・ジョーダンが事件の真意を聞き出すというストーリー。

収監先から署長宅でメイドをするグレイスを訪問しレポートする精神科医。

もうひとりの実行犯ジェームズ・マクダーモットとの供述が一致しないまま有罪になっているので精神科医の立場から深層心理を探り出そうと過去を語らせるのだが、縫物をこなしながら坦々と話す壮絶な物語にサイモンはのめり込んでいく。

荒波の船底の劣悪な環境で病死した母。トロントでの実父の暴力、最初の奉公先でのメイド仲間の死。次の奉公先での殺害事件。刑務所での拷問、迷信的な催眠療法。

運命の底に産み落とされ虐げられ、亡霊の幻聴に倒れるグレイス。戻ることも泣くこともできず暗闇を生きる。

サイモンは次第に彼女に愛おしさを覚える。

主犯なのか共犯なのか無実なのか、本当の真相は誰にも解らない、

グレイスの心理作戦とも言える告白がものすごく面白かった。 

エンディングは私を納得させてくれる幸福感があった。長い月日の末、木漏れ日と風と草花の美しいテラスにグレイスは夫といた。

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