それから約1年が経ち、80年代のインサイダー事件を模して大ヒットした映画「Wall Street」の続編「Wall Street - Money Never Sleeps」は、インサイダー取引を行うGekko氏ではなく、リーマン危機後に批判の矢面に立たされたGoldman Sachsと思われる投資銀行を新たな悪役とした映画として、公開されました。
実際には、「インサイダー取引捜査に関連して、広く情報提供を求めた」というのが正しかったのですが、それから数日を待たずに、著名ヘッジファンドマネージャーSteven A. Cohen氏率いるSAC Capital自体や、投資信託運用会社大手でコロラド州に本拠を置くJanus、更にはボストンのWellingtonなどにも、SECから情報提供の要請があったことが伝わり、ウォールストリートに衝撃が走りました。
11月17日には、運用会社のアナリストと、実業界の様々なレベルの人たちとの情報交換を手助けする、シリコンバレーに本拠を置くコンサルティング会社Primary Global Research社の幹部、Don Chu氏が、あるヘッジファンドに対してIT業界に関する不当な情報提供を行ったという理由で、逮捕されるに至りました。
情報の提供を受けた人物は、昨年10月のGalleonに絡むインサイダー事件で、有罪判決を受けた一人であり、現在では連邦政府の捜査に協力していると、Bloombergの11月24日の記事「Arrest in Insider Trading Inquiry(インサイダー取引捜査で逮捕者)」に書いてありました。