【黒と茶の幻想(上)(下)】恩田陸
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
太古の森をいだく島へ―学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理を浮かび上がらせる。あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込まれていた。「美しい謎」に満ちた切ない物語。
恩田作品の中でもとりわけ大好きな本の一冊。久々に再読しました~
前に読んだのは、まだちょうど20歳ぐらいの時だったでしょうか。。。
恩田さんならではの巧みな表現と、膨大な知識量にただただ圧倒された記憶があります。
で、今回数年ぶりの再読。
初読時よりも、格段に登場人物達に共感できる部分が多くなった気がして、
自分の成長にちょっぴり安堵しつつも、何故だか微妙に切なさを覚えます(笑)
そろそろ中年にさしかかろうとしている昔馴染みの男女4人。
彼らは 「非日常」と「美しい謎」
を求めて、Y島(おそらく屋久島)を旅することに。
ただひたすら他愛もない会話をするだけなのに、どうしてこんなに面白いんだろう
恩田ファンの中ではお馴染みの作品「麦の海に沈む果実」に登場した梶原憂理。
彼女が、ひとつの謎としてこの作品でも登場することになります。
レビューは こちら
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◆人物紹介◆
利枝子…しっとりおしとやかな大和撫子風。失踪した憂理とは親友だったが…
彰彦…黙っていれば誰もが認める美男子だが実際は超毒舌家。美貌の姉がいるが…
蒔生…いつもニコニコ人当たりは良いけれど、コイツが一番毒があります。恐ろしや…
節子…サバサバした性格の美人で皆に頼られる姉御肌。でも過去にはあるトラウマが…
(憂理…完璧な美貌を持つ少女。時折精神のアンバランスさを見せる。現在失踪。)
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皆クセのあるキャラばかり(特に男性陣)で、腹に一物抱えているのが面白い(笑)
4人が抱える過去と、誰にも言えない秘密。
登場人物である利枝子・彰彦・蒔生・節子それぞれの視点から、物語は進んでいきます。
じわりじわりと、薄いヴェールをはいでいくように明らかになる真実……
上下巻と厚みがありますが、とにかく会話が面白くてあっという間に読めちゃいます。
「麦の海~」が未読でも全然問題ないですが、既読だとニヤリとできます。
是非ともオススメしたい一冊です~~
人はつきあい始めた頃は似ているところばかりを見つけて数え上げるが、
別れの気配を感じると、相手と自分の違うところを探し始めるのだ。(-上巻P171)
「優しい」という言葉ほど曖昧で傲慢な言葉はない。
べたべたした主観的な価値を、一方的に対象に押しつける言葉だ。(-下巻P84)
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