Laub🍃

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2011.06.26
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カテゴリ: .1次メモ
「なぜじゃ・・・なぜ今国外に出てはならんのじゃ・・・・・・」
「砦の中ならどんな遊びにでも付き合いますから、ご主人」
「うるさい!私は出るのじゃ!」
「なりません」

 はぁ、と息を吐く僕の部下。そして、ご主人ーここの土地神様の現遊び相手。
 いつもは頼りない彼が、今日こそはと土地神様を説得しようとしているようだが、なかなかうまくいかないようだ。僕も手助けをしたいところだが、生憎他の仕事があるし、僕が加わっても恐らく彼女は首を縦に振らないだろう。
 幼女がだだをこねている。その隣で眉根を寄せる部下は、そこだけ切り取って見れば市場で買って買ってとねだる妹と駄目だと言う優柔不断な兄に見えただろう。
 だが、ことはそれとは大きく違う。

「土地神様。今日は、駄目です。本当に危ないのです」

「何回も彼が説明してくれているでしょう?今外は、異世界から来た勇者とか名乗る変なヤツがうろついているんです。相当怖い奴みたいですから、土地神様なんてきゅーっとやられてしまいますよ」
「そんなんじゃワラワは死なぬ!」
 顔をしかめる僕の横、また部下が口を開く。大丈夫だろうか。
「死ななくても顔ボコボコになりますよ。可愛い顔がブサイクになってしまいますよ」
「構わぬ!それよりもワラワはせねばならんことがあるのじゃ!」
「えええ……」

 結局根負け&力負けして、土地神様は部下を引っ張って砦を飛び越えて行ってしまった。

 部下、生きて帰って来いよ。


***


 この後土地神様に付き合わされて悪戯で大洪水だの軽い天地創造だのをやらされる部下。

「大体、勇者などどこに居るのじゃ。見ないとワラワは満足できぬ」

「…別の所に行ったようだぞ?」
「いや、また戻ってくるかもしれませんし」
「よぉし!弟共ー!遊ぶぞー!」
「ちょ、ま」




「本当に一発かましたら満足するんですね?約束ですよ?」
「分かっておる」
「では、地下水を吸い上げて参ります」

 だが大洪水が足りないと怒られ結局言う事を訊いてもらえない部下

「ほんとのほんとに、これやったらおしまいですよ」
「わかっとるわかっとる」

 そうこうしてる内に砦の近くにやって来る勇者(砦内には一定条件を満たさないと入れない)

「よし隙ありじゃ…「も ど り ま す よ」


「放っておいたらどうだ」
「え、……」
「数分程放っておいてみよう」

 主人公(なんだかんだで一番土地神と付き合い長い)の提案で暫く砦近くで待機する部下、案の定構って構ってというオーラを出してやって来る土地神様




***


部下「土地神様ここの維持に尽力して下さっているから、余計にそれ以外の時やんちゃしているのを留められないといいますか…たまに甘えて膝に乗ってきてくれる時がたまらないといいますか…」
主人公「君はちゃんと叱れるようになれ。あと変態臭いからどうにかしなさい」


 主人公は怒ると怖いがいつもは優しい上司、部下はいつもヘタレ怒ってもヘタレ





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最終更新日  2015.08.26 20:51:31
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