Laub🍃

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2011.09.03
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カテゴリ: .1次メモ
 僕には、何もない。

 だからこそ、沢山の『周り』から、奪ってきた。

 けれど、奪えば奪うほど、それを人に見せびらかすほどに、それを手に入れた経緯を誇れないことを自覚する。
 そうすると僕の口は金魚のようにぱくぱく、と動くだけなのだ。

 どうして俺はこうやって生まれてしまったのだろう。

 きっと僕にしかできない事もある。そう思うのだが、それはきっと仲買人がものを斡旋、融通することと大差ないのだろう。けれどそれに誇りを持てるほど、僕はまだ大人ではないのだ。

 もう少し早く生まれていたなら。あるいは、遅く生まれていたなら。
 僕は僕自身を納得させられる生き方を出来ていただろうか。

 分からない。



 僕の中には沢山のものがおかれていて、けれどその中に自分で作り上げたものは一つとして存在しない。
 ゆえに壊れたものは治せないし、暴走した時の止め方も知らないから、そうなったら捨てるしかない。

 そんなガラクタの山。

 昔はきっと誰かの宝だった、そんなそれらの集まり。
 僕の手の中に入ると錆びてくすんで壊れてしまう。
 罪の意識。

 けれど、それを抱くと同時に安全装置が作動する。
 安全装置は僕のものだっただろうか。そう思っていると、いきなり『彼』が立ち現れる。

 ……そうだ、彼だけは。
 彼だけは、奪われるんでなく、押し付けてきたっけ。というか、現在進行形で押し付けてきている。

 僕にはそれが酷く慣れなくて、けれど、罪悪感を感じることがないのも初めてで。


 持て余している彼と、足りない僕。

 きっと二人なら。




***


 夢を、見た。

 俺の持て余すものを、全て誰かが受け取ってくれる夢を。




***


 -1と+1は互いに干渉し合って0になった。


***


 そうして、彼らは本当の『無』になった。





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最終更新日  2015.10.13 01:09:11
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