あそぼあそぼ

あそぼあそぼ

August 15, 2006
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カテゴリ: 徒然
漆黒の闇にいた わたし
絶望の底にいた わたし

けれど 這い上がってきた
少しずつ 少しずつ
自分でも 気づかぬうちに

いま 太陽に照らされた地に わたしはいる


わたしはけして 忘れない
あの ひとことを


自分の感情を理解できるのは 自分だけ


けれど
自分一人では抱えきれぬ その感情の大きさに恐れおののき
他人に すがろうとした
自分一人では持ちきれぬ その感情の重さに耐えられず
他人に 頼ろうとした

絶望のどん底 漆黒の暗闇にいた わたし
助けを求めはすれど それに反応した人が いなかった
そのわたしがすがったのは “ろうあ相談”という制度

手話のできる病院を探してほしいと わたしは訴えた

筆談でのカウンセリングに挫折した経験を持ち
手話通訳者養成との関わりの深い職を持つ わたしには


一時間余り 話をきいてくれた ろうあ相談員は
手話のできる精神科の病院を紹介した
「薬が必要なら」という 言葉とともに

忘れたくとも頭から離れない このひとこと
薬がほしいと わたしは発していないのに


新たな絶望を 抱え込み
広がる漆黒の暗闇を 彷徨った

その数日後 
主人は 職を辞めた


いまだから わかる
手話のできぬ 義両親との同居
言葉の通じない 幼き我が子
手話を使わない 職場

人がいる環境に いながらして
わたしは独りで 過ごさねばならず
その孤独に わたしは負けたのだ

聴覚障害という障害が産んだ コミュニケーション障害
その二次障害に わたしは負けたのだ


聾の世界 健聴者の世界
そのはざまで 揺れ動いていたわたし

聾の世界に馴染んだ 友人
健聴者の世界にいる 友人
そのいずれも わたしは関わりを拒絶した

唯一の 心の拠り所であった主人
その主人が家にいるという 安心感

その安心感が 私を救った


けれど
時折 後悔の念に駆られる

もう少し 友人に頼れなかったものか と
そうすれば 主人は退職という選択を採らなかっただろう と





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Last updated  August 15, 2006 08:19:24 AM
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尚庵 @ Re:辛いね・・・(11/07) ちゃこさん ありがとう ゴールが見え…
ちゃこ@ 辛いね・・・ 私も今辛いけど、 でも辛いのは私だけじ…

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