●○なつ。の本棚○●

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2005年03月04日
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カテゴリ: ★★★★★な本
『ある街の東のはずれに、ふるいアパートがありました。』

古いくたびれたアパートで名前は「ホテルカクタス」、ホテルではないのに、そういう名前なのでした。
このアパート「ホテルカクタス」に住む「数字の2」と「きゅうり」と「帽子」のお話です。

面白いのが、「数字の2」に例えられた人物、「きゅうり」に例えられた人物、「帽子」に例えられた人物の物語ではない、ということです。
「数字の2」はあくまでも「数字の2」として。
「きゅうり」もあくまでも「きゅうり」として。
「帽子」ももちろん「帽子」として描かれているのです。

それでも読み進めていくうち、どこか人間らしさが漂ってきて、いろいろ感じ入るところがあります。

さまざまな出来事に対してさまざまな感想を持ち合う三人。(便宜上「人」と書きましたがもちろん人ではありません。^^;)
そしてお互いがお互いを自分とは違う考えを持った一個人だと認め、理解しあいます。
友達っていいな~って、しみじみと感じる一冊です。
そして書き忘れてはいけない点は、この本の挿画の素晴らしさです!
すべて佐々木敦子さんが油絵にて制作したものだそうで、本当にホテルカクタスにいるような気分を味わえる見事な作品なのです!
本文とこの挿画、どちらも本当に素敵です*^-^*

この本は、私には大切な一冊の童話のように感じました。
時々手にとって、暖かいコーヒーでも飲みながら、じっくり、しみじみ、何度でも読んでみたい本です。
そしてこの本は文庫ではなく、是非ハードカバーで手に取ってほしいと思います。

ちなみに私は、時々きゅうりのようになりたいな~と思ってしまう、数字の2かな?(笑)
皆さんはどうでしょうか?





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最終更新日  2005年03月14日 11時20分12秒
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