こんにちはぁ~☆

うぅ~ん、なんとなく苦しそうな本だなと思ってはいたけど、
やっぱりくら~い本なんですね・・・
生きながら朽ちて行く主人公って、27才の作者に一体なにがあったんですかね・・・
(2005年11月09日 15時44分18秒)

●○なつ。の本棚○●

●○なつ。の本棚○●

2005年11月09日
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カテゴリ: ★★☆な本
私は土の中で生まれた。親はいない。暴力だけがあった。ラジオでは戦争の情報が流れていた――。重厚で、新鮮な本格的文学と激賞された27歳、驚異の新人の芥川賞受賞作。

暗い です(-"-;)

以前感想に書いた 「グランド・フィナーレ」 (阿部和重著)も 芥川賞受賞作 ですが、どちらもアンダーグラウンドに目を向けた作品という共通点があるからでしょうか、なんとなく似た印象を持ちました。

親から捨てられた子供達が住む施設で育った主人公。
養子として引き取られた先では、殴る、蹴るの暴行を受け続け・・・ 「恐怖に感情が乱され続けたことで、恐怖が癖のように、血肉のようになって、身体に染みついている」 状態に。


とにかくひたすらに、 主人公の恐怖、痛み が描写されています。
あまりにも 丹念すぎてちょっとくどい かな、と思えるほど、でも読者に訴えかけてくる、ある種 「緻密」な表現力 は強く感じました。

生きながらにして朽ちているような主人公。
読んでいるうちに、どんどん暗く、深いところへ落ちていくように感じて、すごく不安になります。

でも 「僕は土の中で生まれたんですよ。だから親はいません。」

過去に決別したかのような主人公を見て、最後に少しだけ、明るい未来が見えたかな?
「グランド・フィナーレ」と違って、読後にようやく一息つけた、と思いました。


併録してある 短編「蜘蛛の声」 は、なんだか わけがわからなかった です。(読後は良くなかったです)

このわけのわからなさも、「グランド・フィナーレ」に併録されていた短編と似た印象を持ちました。(-"-;)

土の中の子供
「土の中の子供」






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最終更新日  2005年11月09日 09時43分57秒
コメント(8) | コメントを書く


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Re:土の中の子供  *中村 文則*(11/09)  
hamutan  さん
ね。「暗い」の一言につきるよね。
文章は巧いのかもしれないけど、この著者の作品を続けて読みたいとは思わないもんな~。
苦しくならなかった?  (2005年11月09日 15時38分06秒)

Re:土の中の子供  *中村 文則*(11/09)  
まる811  さん

Re:土の中の子供  *中村 文則*(11/09)  
haru-sora  さん
こんばんは!!

う~ん。新聞の書評を見た時に、「うっ!暗そう・・・」
とは思ったのですが、その通りなのですね・・・。

今日のブログと、次男君のお話が、何ともバランスがとれていて(笑)
夜に一人で笑っているワタクシ・・・。 (2005年11月09日 22時15分20秒)

土の中の子供  
芥川賞作品ですね。タイトルだけ読んで「せみの幼虫の話かな」なんて思っていました、というのはしょーもない冗談です。

「グランドフィナーレ」は作者が好きなのでさほど抵抗なく読めましたが、この作品はちょっとしんどそうですね。虐待された子供が描かれた「Itと呼ばれた子(デイヴ・ぺルザー)」は吸い込まれるように読みましたが、それとはちょっと違うかな。 (2005年11月10日 21時02分17秒)

Re[1]:土の中の子供  *中村 文則*(11/09)  
natsu530  さん
>hamutanさん

>文章は巧いのかもしれないけど、この著者の作品を続けて読みたいとは思わないもんな~。
>苦しくならなかった? 

うーん、確かに中盤までは苦しかったんだけど。
最後に主人公が施設の所長さんと話してるところは、結構感動というか、泣けました。
自分には親はいません。って、ようやくふっきれたのかなーって。
うまくいえないけど、ただ、「蜘蛛の声」がその後味を台無しにしました。。。
(2005年11月10日 23時41分47秒)

Re[1]:土の中の子供  *中村 文則*(11/09)  
natsu530  さん
>まる811さん

>やっぱりくら~い本なんですね・・・
>生きながら朽ちて行く主人公って、27才の作者に一体なにがあったんですかね・・・

そうなんですよね、本当にびっくりです。
併録の「蜘蛛の声」もなんか似た感じのお話なんですけど、作者も虐待されてたのかな、なんてつい思ってしまいます。かなりリアルです。。。
(2005年11月10日 23時43分01秒)

Re[1]:土の中の子供  *中村 文則*(11/09)  
natsu530  さん
>haru-soraさん

>今日のブログと、次男君のお話が、何ともバランスがとれていて(笑)

両極端ですね(≧∇≦);;
はるそらさんの子供さんには、きっちりと「ゴミ箱からコーヒーのシールはとらないこと」と「郵便番号は電話番号じゃないこと」を教えてあげてくださいね・・・。 (2005年11月10日 23時44分36秒)

Re:土の中の子供(11/09)  
natsu530  さん
>りびんぐすとんさん

>「グランドフィナーレ」は作者が好きなのでさほど抵抗なく読めましたが、この作品はちょっとしんどそうですね。虐待された子供が描かれた「Itと呼ばれた子(デイヴ・ぺルザー)」は吸い込まれるように読みましたが、それとはちょっと違うかな。

阿部和重氏の本は「グランド・フィナーレ」しか読んでいないのですが、すみません、かなりけなしてるような(; ̄ー ̄A アセアセ・・・

「ITと呼ばれた子」の方が、私には衝撃的でした。だってあれは実の母ですよね。それに実話だし。それに比べるとこちらは親戚だし・・・でも、心と体に負った傷の深さはこちらの方がすごく感じました。すごい力量だと思います。
(2005年11月10日 23時47分57秒)

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