りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年03月24日
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カテゴリ: オレとボク
今日の日記



「アイツとオレ10」




電車にするか、車にするか迷ったが、
バイクに乗るイグチが、
「あそこ、スゲ~渋滞するぞ…。」
と言った一言で、電車で行くことに決めた。

オレたちは、浮かれていた。
その日は暑かったけど、平日だし、そんなに混んでないだろう…

そう思ったのは甘かった。
海に着くと、浜は、人で埋め尽くされた状態だった。

こんなに汚い海なのに…。
浜だって黒いのに…。

でも、若いヤツらがとにかく多い海だ。
オレたちみたいな、平日暇なヤツらが多いのだろう。

海の家の呼び込みバイトが道にたくさん出ていて、
やたら通り行く人たちに声をかけていた。

オレたちは、その一つに荷物を預けて、早速海へ入ることにした。

「アレ?ナンパしないのか~?」

オレがアオヤンを冷やかすと、
「赤木くんやってよ~!」
と、人任せな返事が返ってきた。

「ヤダよ。めんどくせ~!」

「何か、カップル多いよな~。」

イグチが海を見回しながら言った。
浜辺には、夏って感じのBGMがガンガンにかかっていた。

「アオヤン、やれっ!」

オレがアオヤンに海の水をかける。

アオヤンがよけて、イグチにかかる。

「げっ!何すんだよ~!!!」

みんなで笑う。
そのまま水のかけあい。
オレたちは小学生か?!

「イグッちゃん、イイ体してんね~。鍛えてる!」

「毎日、腕立てと腹筋やってるからな!」

「筋肉、触らせてよ!」

アオヤンが無邪気に言う。

「何言ってんだよ~!」

「いいぞ!」

「マジ?じゃあ、オレも触らせて!」

二人で、イグっちゃんの硬い力コブや腹筋を触ってみる。
多分、こんなバカなことはアオヤンが言い出さなきゃ、オレは一生やらなかっただろう。
でも、楽しかった。
小学生の子供の頃、大人のオジさんたちの筋肉を触って、楽しかったみたいに。

「すげぇ。」

「ダビデ像みたいだね!」

オレがアオヤンの言葉に吹き出して笑う。

「これから、イグッちゃんのことダビデって呼ぼう!」

「何だよ、ダビデって!じゃあ、オマエはミケランだな!」

「何だそりゃ?!」

「ミケランジェロ!何かほら、少年の天使みたいな!」

「ヤベェ!勘弁しろ~!」

「そんなこと言うから、西洋美術の試験のこと思い出した~!」

「忘れろ!」

「何だよミケラン!」

そんなことを言って、笑いながらお互い海に突き落とし合い、
バテバテになりながら、浜に戻って、喉を潤した。

「ボク、ビーチボール持ってきたんだ。」

「子供だな!」

「アチい!先行くぞ!ブイまで泳ごうぜ!」

オレとイグチはビーチボールを膨らませるアオヤンを残して、海へ向かった。

「何かクラゲいそうだな~。」

「浜は暑いけど、海にずっといると寒くなって来るんだよな。」

「おい、赤木、アレ見ろよ。」

浜の方を見ると、オレたちの隣に座っていた女の子たちと、
アオヤンが話しているようだった。
あまりにも楽しかったから、女がいたことに気付かなかった。

「何だ?アイツほんとにナンパしたのか?」

「やるじゃん!」



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最終更新日  2010年03月27日 15時51分00秒
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