母も当日が待ち遠しかったようです。
実は母にはサプライズで内緒にしておくつもりでした。
そもそも、母を喜ばせようとして見様見真似で書いた作品が
幸運にも採用されたのですから。
ところが、人間、嬉しいことが頂点に達すると
ありとあらゆるところからオーラが出るようです。
もっとも出るのが顔。
ニヤニヤ、ニヤニヤしてしまいます。
「だめだ、嬉しすぎて内緒にできない!
私は堪忍袋の緒が切れるならぬ、嬉しさ袋の緒が切れ、
一部始終、話してしまいました。
しかも、電話いただいたその日に。
母も驚いてましたね。そして、もちろん、
喜んでくれました。
母はもう何十年も朝晴れエッセーのファン、それも前身の夕焼けエッセーが
始まったころからの愛読者ですから。
当日朝早く、新聞受けをのぞくと入っていました。
ちらっと自分の名前が見えました。
早速、お店の中で広げました。
「やった~!」「よっしゃ~」
一人で雄たけびを上げる私でした。
母を喜ばす行為が実は一番喜んだのは私自身でした。
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