みんみん猫0707さん
>さすがはnipparat総裁、難問を一刀両断!
>論旨が明快で説得力があります。

 恐れ入ります。ただ棋院の内部での壁が大きいようですね。加藤先生らの進歩派が本気で考えていたのは間違いないはずですが。
(Aug 1, 2008 11:36:32 PM)

nipparatの日記 囲碁 不思議体験 

nipparatの日記 囲碁 不思議体験 

Aug 1, 2008
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テーマ: 囲碁全般(752)
カテゴリ: 囲碁
 以前にも書いたことがあるが、本日は棋戦のオープン化について。

※オープン化は必要
 以前、故加藤日本棋院理事長が週刊碁紙上で「棋戦もテニスやゴルフのようなオープン化を目指す」と述べていたがその動きは止っているのだろうか?棋戦はオープン化すべきであるし、いずれせざるを得ないと思う。

 オープン化と言うと「外国のトップ棋士がタイトルを独占してしまう。」とか「トッププロが初級者のアマと打つのか?対局数が増えて負担が増す。」というような懸念が出される事があるのだが、これは全く飛躍しすぎである。
 例えばゴルフの日本オープンでは事実上外国人選手は出られない、トッププロは予選に出ないし、ましてヘボオヤジとラウンドする事も有り得ない。

 オープン化の第一はアマからプロ、その中間のレッスンプロが参加できることであり、外人選手をどうするかは大会の趣旨や状況に応じた設定次第である。

 現在のシステムでは、主催者がプロ棋士が属する組織に億単位の契約金を払う。すべての参加選手は参加料は払わない。賞金の他に所属する組織から給料をもらっている。これは、純粋な競技と言うより興行に近いシステムである。健全な競技のシステムとは言いがたい。

 スポンサーにとっては大会の経費や賞金以外に莫大な契約金を払う負担がある。自分がスポンサーなら「なんで、新聞に観戦記を載せない棋士の給料を肩代わりしなければいけないのか?その分を賞金に回してインパクト出したい。」と思うだろう。

 それ以上に問題なのは、競技全体の広がりに支障を来たす事である。それが一足先に顕著になったのが将棋界だ。現棋士の既得権を守るために棋士の門戸が非常に狭く、その結果棋士より強いアマがゴロゴロ生まれている。彼らは当然新聞棋戦に参加できない。
 こんな状況は競技として異様であるし、棋士を目指す少年たちが減ってしまうだろう。今後さらに財政難になれば棋士を30人・20人と減らすのだろうか?笑い話のようだ。

※ゴルフ界に学ぶ
以下に日本ゴルフ界の最高の大会である2007年日本オープンの参加資格を転載した。


2007 日本学生 優勝者
2007 日本ジュニア 男子15-17歳の部 優勝者
2006 日本オープン ローアマチュア
2006 日本シニアオープン 優勝者
2006 日本ミッドアマチュア 優勝者
2007 ノムラカップアジア太平洋アマチュアゴルフチーム選手権日本代表選手
日本オープン過去10年間の優勝者
2006 日本オープン上位15位
2006年ジャパンゴルフツアー賞金ランキング 上位20位
2007年8月6日時点でのジャパンゴルフツアー賞金ランキング(国内のみ)上位30位
最近5年の日本プロゴルフ選手権優勝者
前年本競技の翌週から当年本競技前週までのジャパンゴルフツアー競技優勝者
2007 日本オープン最終予選通過者
2007 各地区連盟主催北海道、中部、関西、 中四国、九州各オープン選手権競技に割当てられた数の上位成績者
JGA特別承認者
※資格1~4、6、7で出場する競技者はアマチュアである場合のみ参加できる。

資料

 アマチュアに門戸が開かれ、またHPではアマの参加を奨励している。特に注目は、ジュニアのアマにまで参加資格を与えていることだ。つまり、囲碁で言えば高校選手権の優勝者を本物の名人戦に参加させているのである。素晴らしいことだと思う。競技としての広がりを感じる。
 この資格設定では日本に拠点がない外人選手は参加はできない。また、これらの下部大会では参加料を徴収したり、さらに下部大会への参加のために年会費を納めて何らかの会員になる規定などがあり、これにより主催者の負担を減らしゴルフ界の財政を助ける仕組みになっているようだ。

※アマチュア大会の不思議

 現在は、棋士を目指しプロ並の実力を持ちながら合格できなかった人には、その後棋戦に参加し再び上を目指すチャンスはない。それ故本気で棋士を目指すのを躊躇する若者もあるだろう。地方棋士などは、アマの大会にも出られないので生殺しのような感じだ。

 新聞棋戦がオープンでないひずみは、アマの大会にも現れている。アマの大会の参加資格は「アマチュア」であるが、囲碁界の場合非常に難解である。棋士並の実力を持ち囲碁指導員としてアマから対局料を受け取り生活している人達も参加している。一般社会の概念からすれば彼らはプロだ。

 ただし、かつて安永一先生はプロとの扱いをされていて、朝日名人や毎日本因坊への参加は新聞社から断られていたはずだ。(朝日に関しては、NHKのお好み対局の時に田村竜騎兵が明言していた。)
 円熟期の安永氏がプロ(オープン)棋戦に参加して棋譜をたくさん残していたらどんなに素晴らしい事だっただろうと思う。歴史に残る棋譜を残したのではないかと残念でたまらない。





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Last updated  Aug 2, 2008 02:00:58 AM
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賛成です  
医者の卵 さん
将棋でも竜王戦などはアマチュアでも参加できるシステムですし囲碁でも広げるのはよい試みだと思います。ただ手合日が木曜日の現状では仕事もあるのでなかなか予選に出場するのも難しいですね。
話は変わりますが、日本の棋戦の賞金の高さを考えると海外の棋士が日本に移籍しないのは少し不思議な感じもします。ゴルフならQTみたいな制度があるから可能なのかもしれませんが・・・。

(Aug 1, 2008 11:06:57 PM)

さすが  
さすがはnipparat総裁、難問を一刀両断!
論旨が明快で説得力があります。 (Aug 1, 2008 11:26:23 PM)

Re:賛成です(08/01)  
nipparat  さん
 なるほど、竜王戦はアマ4人と女流2人が招待なのですね。ただ、予選会を行うような本格的なオープン化には壁がありそうですね。

 外国棋士の日本棋院への移籍はシステム上簡単ではないと思いますよ。以前女流のゼイノイさんが申しこんだ時は断られたですね。あれは女流棋界にとってチャンスを逃したと思います。
 ただ棋士の受け入れに関しては韓国や中国が囲碁後進国だったころは問題なかったでしょうか、現状だと賞金目当てでの無制限の受け入れは難しいでしょうね。 (Aug 1, 2008 11:32:01 PM)

Re:さすが(08/01)  
nipparat  さん

いくつかの棋戦を  
GO! さん
オープン化して棋戦にメリハリをつけるのは賛成ですが、ただそれが裾野の広がりに一躍買うかは疑問ですね。
オープン化していないから囲碁が盛り上がらないというより、囲碁というゲームそのものも含め、もっと別のところに問題が山積みのようにみえます。
何かを変えていくのは悪くないですが。

ちなみ将棋で
「オープン化されていないから盛り上がらない」
というような話は、あまり聞いたことはありません。
あるのでしょうか?
失敗した後潰しが利かないため、プロを目指すのを躊躇するというのは聞きますが。
(Aug 3, 2008 10:55:12 PM)

Re:いくつかの棋戦を(08/01)  
nipparat  さん
GO!さん
>「オープン化されていないから盛り上がらない」
>というような話は、あまり聞いたことはありません。
>あるのでしょうか?

 これについては本文でも触れていませんし、何とも言えません。

 今回は囲碁の普及と言う視点ではなくて、あくまで競技とのしての囲碁という視点です。一般のファンにとっては目に見える問題ではないと思いますが、これはこれで大事な問題だと思います。 (Aug 4, 2008 12:36:57 AM)

Re:プロ棋戦のオープン化は必要(08/01)  
今川 覚 さん
全くそのとおりでゴルフと同じ様にオープン戦を行うべきと思います。
日本棋院は将来の囲碁の発展の為にもプロとアマの違いを見せ付けるのも一般のファンを納得させる。
又、中学、高校、のアマチュアチャンピオンが本戦で活躍するようなら話題と共に企業としての収益にも繋がる。
いろいろなスポンサーが就くのではないか
若い人達に夢を与える様な企業にならないと囲碁界は
衰退の一途をたどる気がしてならない。
(Feb 10, 2012 02:38:22 PM)

Re[1]:プロ棋戦のオープン化は必要(08/01)  
nipparat  さん
今川 覚さん
 コメントありがとうございます。
 おそらくこれからスポンサーの問題と世界と戦える棋士発掘の問題はますます深刻になると思います。いずれはオープン化するしかないと思うのですが、土壇場まで強い抵抗がありそうです。 (Feb 10, 2012 09:12:11 PM)

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