黒が私、白は力戦家でこのころ上位進出の常連だったMさん。序盤白が稼ぎ過ぎたようで、以下黒 1 となって黒リード。
実戦図 1

下辺での戦いが一段落した以下の局面。黒はこの後、上から当てて押し切っても良さそうだが、何か一仕事したいと思い次の手をひねり出した。
実戦図 2

実戦図 3

以下白 3 まで味をつけてから黒 4 から動き出した。黒 10 となっては中央の白一団も弱いので何かにはなりそう。
実戦図 4

その後左辺は劫になったが、下図のように左下を蹂躙する分かれとなり黒勝勢となった。左上も劫になったが、この劫は譲っても黒が勝ちの形勢になっている。ところが、白 1 の劫立てに対し少し請けようとした黒 2 が大悪手だった。
実戦図 5

実は右下が手になっているのだが、お互いに気づかずヨセが続いた。以下白 1 がみすみすチャンスを逃す手で、中の方に手を入れれば手無しになる所だった。ところが、 1 目儲けようと黒 2 と受け白 3 でついにここが手になってしまった。実は、白 1 も不要で直接白 3 に打っていれば手になっている。どうしても、右下1線下がりと下辺1線下がりの両方が利いて、隅の白が生きてしまうのだ。何とも不思議な幕切れとなったが、お互い秒読みの中のドラマであった。
この後、次の碁を勝ち何とか予選を通過し、さらにトーナメントの
3
回戦で再びMさんと当たるという信じられないめぐり合わせとなったが、ここでは完敗した。
実戦図
6

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