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2015年05月20日
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カテゴリ: 読書


 姜尚中(著)
 集英社新書 2006年2月22日




 超大国の暴走と心中するのか、隣人たちとの共生を選ぶのか。7つのキーワードが示唆する日本の最良の選択肢とは―?

 目次
 はじめに 七つのキーワードで読む現代の日本
 第一章 アメリカ
 ◎「アメリカ」を読む…『アメリカのデモクラシー』トクヴィル
 第二章 暴 力
 ◎「暴力」を読む…『職業としての政治』マックス・ウェーバー

 ◎「主権」を読む…『リヴァイアサン』ホッブズ
 第四章 憲 法
 ◎「憲法」を読む…『権利のための闘争』イェーリング
 第五章 戦後民主主義
 ◎「戦後民主主義」を読む…『超国家主義の論理と心理』丸山真男
 第六章 歴史認識
 ◎「歴史認識」を読む…『過去は死なない』テッサ・モーリスースズキ
 第七章 東北アジア
 ◎「東北アジア」を読む…『東北アジア共同の家をめざして』姜尚中
 あとがき 私と政治学
 人物・用語解説




 P34
 19世紀に、トクヴィルが驚愕の眼で眺めた宗教的な原理が、今なお根底に流れているのだとすれば、アメリカ社会には、潜在的に、敵の存在をつくりだしていく回路が埋め込まれていることになります。当時、トクヴィルは、「全体主義」という言葉は使いませんでしたが、デモクラシーが多数者による専制支配へと繋がる可能性は、理解していたのではないかと思います。

 P40
 今は何よりも、カタストロフを回避しながらアメリカをローカル化する方法を発見することから始めなければなりません。つまり、多局共存の世界のヴィジョンを探ることです。




 ここでややこしいのは、悪とてしての暴力を否定するための暴力―それは具体的には、悪に対して法を執行することになりますが―このロジックを、アメリカのネオコンが盛んに援用していることです。それは、カント的な理想を、ホッブズ的な絶対権力で実現しようとすることになります。



 P75
 今、なぜ、「帝国」なのか、また、国連なのかと問われる背景には、国民国家に代わる主権をいかに再構想するのかという課題が、いよいよ先延ばしにできなくなった事態があるのでしょう。それこそが、現在を生きる私たちが直面する、数々の問題の本質なのです。



 P97
 巨視的に眺めれば、その底流には、70年周期で繰り返される反復のリズムが存在するのかもしれません。第二次世界大戦後の戦後国家が終焉に至ることを予見しているわけでは決してありませんが、一連の改憲論議を、「第三次国民国家の再定義」と捉える視点も可能であるように考えます。



 P110
 戦前の裏返しとしての平和主義という輝かしい理念と、吉田茂的なリアリズムは、今から見ると、激しく対立しながらも、その実、相互補完的関係にあったようにさえ映ります。



 P140
 政治と歴史の関係を、その危うさを認めたうえで作り直すべき時期が来ています。歴史認識問題というものは、個別の事実関係は別にして狭い学知の世界ではもはや解決不可能です。結局、政治を通じて生じた問題には、政治を通じて取り組んでいく以外にないのです。



 P162
 しかし私自身は、たとえそれが決断主義ではないかと謗られても、ナショナリズムの実在よりは、東北アジア共同体の夢に賭けるべきだと考えています。それこそが、太平洋の向こう側だけでなく、玄海灘にも架け橋をつくることになるからです。







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最終更新日  2015年05月20日 20時17分38秒
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