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2015年07月27日
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オリンパスの不正会計は、バブル崩壊時の多額の損失隠しに端を発した。

 東芝の不正会計体質は、原子力事業に伴う損失隠しに端を発したと考えると、理解し易い。

 2006年、世界最大の原子力プラントメーカーである米国のウェスチングハウス(WH)を東芝は買収。

 原子力事業の独占的企業体となり、プラント受注とその後のメインテナンスを請け負うことで、売上の安定的な(!)大幅増を目論んだ。

 2011年3月11日、東日本大震災で東芝の目論見は大きく狂い出した。

 国内だけでなく、海外も原発建設は停滞。

 「高い技術力と実績による安全」を標榜することも適わなくなった。



東芝の原発事業に1000億円単位の減損リスクも


 第三者委員会による利益額の修正は1500億円に上ったが、今後は資産の面で、1000億円単位で減損リスクが待っている。中でも注目されているのが、原発事業だ。(「週刊ダイヤモンド」編集部 池田光史、鈴木崇久、森川 潤)

 明らかに練り込まれた答弁だった。7月21日、不正会計をめぐる第三者委員会の報告書の提出を受けて、東芝が開いた記者会見。取締役8人の辞任が発表され、不正をめぐる質疑応答が続く中、ある企業の名前が出ると、場の空気が変わった。

「そちらについては、前田(恵造CFO)から説明いたします」

 受け身の答弁に終始していた東芝側が、ここだけは急に自発的に説明を始めたのだ。

「ウェスチングハウスのキャッシュフローならびに損益の8割以上が保守と燃料の交換であり、安定的な収益をきっちりと上げていると認識している。買収当時に比べると、営業利益は大幅に拡大している。懸念はございません」

 まるで、用意した文書を読み上げるように答えた前田氏の口ぶりは、いかにこの案件が東芝にとってセンシティブかを物語っていた。

 というのも、話題に上ったウェスチングハウス(WH)は、今回の問題が発覚して以来、利益水増しよりも、「一番のリスク」(重電メーカー関係者)として業界関係者がこぞって注目していたためだ。

 なぜならば、この案件は、東芝を最悪のシナリオへと導く“爆弾”となるリスクがあるからだ。

 WHは2006年、東芝が約42億ドル(当時の為替レートで約4800億円)もの大金をはたき、株式77%を取得して買収した世界最大の米原子炉プラントメーカーだ。この額は、相場の2倍を超えるといわれ、「高値つかみ」の批判が付いて回ったが、当時はまだ良かった。欧米で原子力発電所の重要性が再認識され、新規建設計画が浮上する「原子力ルネサンス」と呼ばれる時代だったからだ。

 …(略)…





 WHの買収価値の大幅低下を反映した減損の最大値は4800億円。

 2000億円とされる粉飾をはるかに上回る衝撃。

 より巨大な損失を隠すための利益至上主義、企業存続のための財界でのプレゼンス強化の道を選択。

 先進国の企業らしからぬトップダウン体質は、事業運営に疑問をもたれては困るためと考えると自然。

 決して仲が良いとは見えない、会長、副会長、社長は秘密の共有者(共犯者)。

 面白いドラマ、企業小説が描けそうだ。

 納得しやすい筋書きが事実とも限らないが。






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最終更新日  2017年01月29日 16時59分04秒
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