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2024年10月06日
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テーマ: 反日(10)
カテゴリ: 中国、台湾
 反日韓国人のように利に敏い中国人は「愛国ビジネス」を展開しつつある。
 参戦・反対の別はおき、「反日」はSNS上でバズるそうだ。
 習金平の中国で、天安門事件への言及や中国共産党への批判は、直接・間接を問わず許されないが、反日は禁じられていない。
 そこにビジネスチャンスを見出した者たちがいた。
     ​
 2024年6月24日、中国・蘇州で、日本人学校のスクールバスが刃物を持った男に襲われる事件があり、犯人の男に立ち向かった中国人女性・胡友平さんが、男に何度も刺されて2日後に亡くなった。
 中国では、他にも外国人を対象にした無差別殺傷事件が起きている。
     ​
 9月16日、外務省は中国の日本人学校がスクールバスの警備員を配置する費用を補助する2025年度予算案の概算要求をした。世界に危険な国・地域は多数あるので、中国に駐在する家族の危険は企業で判断してくれということなのだろう。
 この事件の後、「日本人学校はスパイを養成している」といったデマ動画が拡散されSNSで人気を集めているという。
     ​
 男児が襲われたのは日本人学校から約200メートルの路上だった。
 9月18日は、満州事変の発端となった柳条湖事件の発生から93年にあたり、反日感情の高まりやすい日だとされている。中国各地で毎年、抗日記念館の見学イベントなどが組まれる。また、東北地方の遼寧省では、14都市で午前9時18分に防空警報が鳴らされ、交通機関は運行を停止し、公共メディアはSNSを通じて屈辱を忘れるなと強調する。
     ​
...中国政府は止められないのか
周来友(しゅう・らいゆう)(経営者、ジャーナリスト)
ニューズウィーク日本版  2024年9月23日 11時0分
<深圳で日本人学校の男子児童が中国人の男に刃物で襲われて亡くなった。その背景には、愛国・反日教育が生み出した「迷惑系ユーチューバー」たちの存在がある>
 このコラムを執筆中にいたたまれないニュースが飛び込んできた。9月18日、中国南部の広東省深圳で日本人学校の男子児童が中国人の男に刃物で襲われ、19日未明に病院で亡くなったのだ。
 現時点ではまだ容疑者の動機も事件の背景も分からない。だが、恐れていたことが起きてしまったような気がした。
 今回書こうとしていたのは、動画配信者たちの暴走についてだった。外国人を目の敵にして突っかかり、そのやりとりを動画に収め、ネットで配信する。世の中にはそんなろくでもない輩(やから)がいる。
     ​
「愛国」の名の下に迷惑行為を働き、金儲けをする輩
 9月7日、北京の円明園という観光地で日本人観光客が現地の動画配信者に暴言や罵声を浴びせられる事件が起きた。
 中国メディアによれば、観光客が中国人通訳を介して「写真を撮りたいから場所を空けてほしい」と頼んだところ、「なぜ日本人のためにどかなくてはならないのか」と激高し、日本人を追いかけ回すなどしたという。おまけに、駆け付けた警備員までもが「日本人はこの場所には入れない」と動画配信者に味方したらしい。
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 一部始終を配信していたこの中国人は、いわゆる「愛国ビジネス系配信者」だ。過去には航空機内で白人男性を挑発し、「差別された!」と大騒ぎする動画を上げたこともある。
「愛国」の名の下に迷惑行為を働き、その映像でアクセス数を稼いで金儲けをする輩 だ。日本で言うところの「迷惑系ユーチューバー」の一種で、5月末に靖国神社の石柱にスプレーで落書きし、SNSに投稿した中国人動画配信者も同類だ。
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 実は、そんな愛国ビジネス系配信者の同類が日本にもいることはご存じだろうか。
 この夏、有名な迷惑系ユーチューバーの男性が奈良公園を連日のようにパトロールし、彼が言うところの「鹿に暴力を振るっている」中国人観光客を見つけては、強い口調で注意し、その様子を「さらして」いた。
 しかし、私が見た1つの動画では(確かに行儀は悪いが)足で鹿の脚と握手するような行為をしていただけで鹿を蹴ってなどいなかった。写真の説明には「中国人が鹿さんをサッカーボールのように蹴り上げた」とあったが、本当にそうなのか。中国人のマナーが悪いのをいいことに差別意識をあおっているのではないかと思った。
  …  (略)  …
     ​
 中国政府は円明園の事件後、「外国人差別は許さない」とのメッセージを出し、当然ながら深圳の事件後も「外国人の安全のため効果的な措置を取る」としたが、6月には江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが襲われる事件があったばかり。
 政府が暴走を望まなくても、もはやそう簡単に火消しはできないだろう。数十年間の愛国・反日教育のツケが回ってきたのだ。
  ―  引用終わり  ―
     ​
 中国南部の深センで、日本人の男子児童が男に襲われ死亡した事件を受け、柘植芳文外務副大臣は、訪問先の北京で事件の対応を協議し、反日的なSNS投稿の取り締まりなどを求めた。
 9月23日、中国外務省は、反日的な投稿の有無について言及しなかったものの、「中国には反日教育はない」と指摘した。
 男子児童が刺殺事件を受け、中国に拠点を持つ日本企業が駐在員の一時帰国を認めるなど、影響が広がっています。
 パナソニック・ホールディングスは、現地に駐在している社員と、それに帯同している家族の一時帰国を認めると発表した。
 帰国にかかる費用はパナソニックが負担する。帰国の開始時期は未定。
 中国に約100名の社員が駐在している東芝は、現地の駐在員や出張中の社員に対して、大使館が発表した情報を共有するなど注意喚起を行っている。
 深セン市で中国の自動車大手・BYDとの研究開発の合弁会社があるトヨタ自動車は「日本大使館と日本人学校が発信する情報をメールで駐在員と共有し、注意喚起している」。
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「悲劇を繰り返すな」
―シンガポールメディア
Record China  2024年9月22日 7時0分
 シンガポール華字メディアの聯合早報は20日付で、広東省深セン市で日本人男児が登校中に襲われて死亡した事件を受けて、事件が発生した背景への分析を加えた上で、類似の事件の再発防止を訴えるコラムを掲載した。
  …  (略)  …
     ​
 記事は次に「中国政府や各メディアは、抗日ものの映像作品などを使って、毎年日本が中国を侵略した出来事を繰り返し思い出させる。その目的は歴史を風化させないこと、そして民族の団結と自立を促すことのはずで、一般市民に現在の日本政府や日本人に過去の報復をしろと言っているわけではない。だが、これらの歴史や現実の衝突を促す素材は、ひとたびネット上にアップされてしまうと、 閲覧回数やフォローの多さを追い求めるインフルエンサーの利益追求の動機が加わって、違った局面を作り出してしまう 」と指摘した。
     ​
 記事は続けて、 「中国のネット上では『反日』とはバズるためのキーワードの一つ になるからだ。無知な者がキーボードをたたいて英雄を気どり、愛国投稿をバズらせながら、現実への不満を晴らしている。中国のネット上では中国にある日本人学校に対する攻撃的な言動が形成され、日本人学校の付近を撮影し、中国から追い出そうと威嚇する動画を流すチャンネルもあるという。このようなチャンネルは政府の手で強制的に閉鎖されるが、多くの閲覧を獲得できるので、何度でも復活する」と指摘した。
     ​
 記事はさらに「オンラインであおられた反日感情は、例えば『精日(精神日本人の略。精神的に自らを日本人とみなしている人物を指す)』と思われる芸能人の排斥や、北京市の円明園で中国人インフルエンサーが日本人観光客らに難癖をつけて追い回した動画のように、 オフラインでの具体的かつ極端な行動へと移行 してしまう。そして今、深センの事件が起きた。これは反日感情やポピュリズムが非常に極端な方向へ滑り落ちていることへの警鐘だ。
 ポピュリズムによって危険な行為が引き起こされ、治安が破壊され、中国のイメージを損ね、外資参入すら危うくする。黙って見ているわけにはいかない。地域的な視点から見れば、日中両国民の反感の高まりはこの地域を不安定にさせるたくさんの種をまくことになる。中国の経済不振が反社会的な行為を助長し、愛国の名義を借りて個人的な憂さを晴らしていると論じる意見もある。もしそうだとしたら、非理性的な反日感情が間接的に中国の経済的矛盾の土壌を培養しているのではないか? 非常に心配な局面だ」と分析した。
  ―  引用終わり  ―
     ​
 「反日」「抗日」はポピュリズムなどという一過性のものではなく、中国共産党政権の国策。自由主義の日米に対抗するため、共産党が必要だということを長期間、継続的に国民に訴える精神的支柱。
     ​
 かつて「造反有理」という言葉があった。中国語で「造反に理が有り」という意味。正義を実現するための謀反側や反乱者に正義があるとしてて文化大革命で紅衛兵が掲げたスローガン。日本の学生運動でも使用された。
 日本人をはじめ中国を害する可能性のある外国人を襲撃することは、中国を守り、発展させるために必要なことと考えることができる。
 習金平政権が対外拡張戦略を改めない限り、中国の外国人無差別襲撃に遭う「悲劇が繰り返される」可能性に満ちている。
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 EV製造で新たな生産拠点を設けつつあるトヨタ、ホンダ、日産などの日系自動車企業は、中国の駐在員とその家族をどのように守るのだろうか。





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最終更新日  2024年10月06日 06時00分12秒
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