にしわき眼科クリニック。

にしわき眼科クリニック。

2009.03.21
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カテゴリ: 外来診療一般
患者様から比較的良く質問されるものでかつ誤解されているものの一つに、「緑内障だと飲めない薬があるって本当なの?」というものがあります。

 この質問に答えるには、まず目の解剖を知って頂く必要があります。正常な状態の目では、目の中を房水というものが下のような経路で流れています。

R0015339.JPG

 お薬の中には散瞳といって瞳を広げる作用を持つものがあるのですが、上記の図でいう「隅角」という水の出口が狭い人が、散瞳作用を持つ薬を内服・点眼すると、虹彩(茶目)が隅角(水の出口)を塞いで眼圧(目の固さ)が上昇してしまい、目の神経の萎縮や目の痛みを引き起こすことがあるのです。

 ですので先ほどの疑問の答えは正確には「緑内障だと飲めない薬がある」のではなく、「隅角が狭いと飲めない薬がある」ということなのです。隅角が狭い人には閉塞隅角や狭隅角がありますが、定期的に眼科にかかっていれば、レーザー手術で新しく水の出口を作っているか、もしくは「あなたはこれこれの薬は飲めませんよ」と指導されているはずですので、ただ緑内障といわれただけなら、服薬制限はないということになります。

 ちなみに散瞳効果のある薬には、抗コリン作用のある薬、精神疾患で用いるベンゾジアゼピン系の薬、麻酔を掛けるときに用いるアトロピンなどがあります。






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最終更新日  2009.03.21 14:29:48


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