にしわき眼科クリニック。

にしわき眼科クリニック。

2011.04.15
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カテゴリ: 外来診療一般
さてここからは、第5回四国アイランドセミナーで印象に残った話を自分のメモ代わりにいくつか書いていきます。

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 毎日の診療をしていて頻繁に出会う病気に「ぶどう膜炎」という病気があります。

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 これは「目の中に炎症を起こす病気」の総称で、皆様にはあまり馴染みがない名前でしょうが、その患者様の総数は膨大です。

 ところがこの「ぶどう膜炎」、実は我々眼科専門医の悩みの種なのです。というのは、「どんなに頑張っても病名の診断にたどり着けない」ことも多く、また一部に「予後不良の疾患がある」からなんですね。

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 ↑ これがぶどう膜炎の患者様の内訳です。サルコイドーシス、原田病、ベーチェット病というのが、我々の業界用語で言ういわゆる「3大ぶどう膜炎」なのですが、この3つを足しても全体の25%にしかならず、後は多くの無数の病気が隠れているのです。そして、どんなに様々な検査を繰り返しても半分の50%は「同定不能」で、病名の診断に至らないのが現状なのです。

 そのためこの「ぶどう膜炎」の診断と治療は良く、「推理小説と同じ」とも例えられます。限られた証拠、刻々と移り変わる症状、お出しした薬に対する患者様の目の反応、それらの全てを総合しながら、我々眼科専門医は探偵の如くこのぶどう膜炎と戦っているのです。

 さてこのぶどう膜炎ですが、「3大ぶどう膜炎」の一つの「ベーチェット病」において近年画期的な治療の進歩がありました。ベーチェット病は1937年にトルコの名門、イスタンブール大学のベーチェット博士が発見した病気です。

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 口の中の潰瘍、皮膚の炎症症状、外陰部の潰瘍、そして急性症状を繰り返しながら悪化していく目のぶどう膜炎症状の4つが主症状なのですが、予後不良なことが多く以前から恐れられてきました。

 このベーチェット病、トルコと同じ緯度のシルクロード沿いに多く(別名シルクロード病)、そのため日本にも多くの患者様がいらっしゃいます。しばらく前には人気グループのEXILEのメンバーの方がこの病気であることを告白して大きな話題にもなりました。

 特効薬のない病気であり我々眼科専門医は苦労しながら治療をしていたのですが、最近になってレミケード(抗TNF-αモノクローナル抗体)という新薬が開発され、これが劇的に効くことからベーチェット病の治療は驚異的な進歩を遂げました。

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 「ぶどう膜炎の診断・治療は相変わらず困難だけど、それでも着実に進歩しているんだな」、そう実感できた今回のセミナーでした。






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最終更新日  2012.03.10 15:19:49


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