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メインシンポジウムの「白内障手術オープンソース2011~対難症例プログラムをインストール」へ参加しました。
この中で勉強になった話を自分用のメモ書きとして書いておきます。以下は専門的な話となりますので、難しい方は読み飛ばして下さい。
1. 水晶体の固い核では、とにかく大切なのは確実に4分割することである。 2分割は常に掘りたいところにピントを合わせる こと、そしてとにかく 後嚢(こうのう:水晶体の袋の裏面のこと)ギリギリまで掘る ことが大事。
2. 2分割時も4分割時もそうだが、 「底まで割れている」ことを確認する ことが大切。
3. 溝堀時にフェイコパワーを上げるのを忘れがち なので注意。
4. スリーブ蹴りを防ぐため、 特に手前側をしっかりと掘る こと。
5. 固い場合、真ん中からではなく周辺から分割するのも有用。
6. IFIS対策では「来るぞ!」という心構えが大切。
7. 瞳孔の全幅切開について。12時部を大きく切ったら、手術終了時に下方を大きいバイトで3つくらい切っておけば、割とそれで問題はない。
8. 瞳孔縁切開は、マルチプルで切るのが一般術者には確実なので最も適している。浅いバイトをできるだけ多数作るのがポイント。瞳孔径は最低でも6.0ミリ以上にすること。その際、角膜のサイドポートは4つ開けても大丈夫。また、 虹彩の下に粘弾性物質を多量に入れない こと。
9. CCCが不完全になると、大体その25%で後嚢破損が起こる。やはり確実なCCCは大切。
10. A-VIT時は「正しく電車道を歩く」 ことが大切。 具体的には、核娩出(まずビスコエクストラクション、無理なら機械的娩出)→A-VIT→IOL挿入・逢着(ここで眼圧が低ければサイドポートから虹彩下にBSSを入れて眼圧を正常化する。眼圧が上がっていればその後にIAしても大丈夫とのこと。これは知らなかった!)という 決められた手順を必ず守る こと。
11. ビスコエクストラクション時には、 核の見た目の倍の切開幅が必要 。 というのは核には「厚さ」があるため。(トラブル時に切開幅の拡大をケチると虹彩を痛めたりして、より重篤な合併症につながるので本当に注意が必要。 要は 「トラブったら、思い切って大きく切開幅を広げろ!」 ということ。敗戦処理でベストを狙わないこと。)
12. JSCRSの最新の推奨では、IOL逢着は必ずしも同時手術でなくて良い 。 (網膜剥離等の重篤な合併症があり得るため。)
12. 下手な術者は顕微鏡のセンタリングが悪い 。 (これは自分の体験でも、また他の先生の手術を見学したときにも絶対に間違いない。そのため私も常に気を付けている。)
いやあ、勉強になる、そして身につまされるシンポジウムでした。(続く)
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