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「とりあえず、今お持ちのメガネを見せていただきましょう。」と言うと、出るわ出るわ、メガネが4つも5つも出てきます。「これは遠近両用で作ったけど、頭がクラクラと痛くなるので使っていない」、「これはアーケードの中の人気のあるお店でしばらく前に作って一番マシだけど、でもやっぱり満足はしていない」、「これは近所に移動眼鏡屋さんが来てくれたので、行ってみたらメガネ作ってくれたんだけどあんまり合わない」、「これは大手チェーンの眼鏡屋さんで最近作って貰って、その時に合わないようなら眼科に行って処方箋を出して貰ったら無料でレンズを交換してあげると言われたやつなんだけど、キツイ感じのするメガネで使っていない」など、1つ1つチェックして見たのですが、どれも度数にそれほどの差があるわけではなく似たようなメガネです。
そこで目の方を診せて頂くと、白内障が高度に進行してしまっておりそれで目の力が落ちて、どのメガネをかけても見えない状態になっていたのでした。患者様は「見えないのはメガネが悪いせいだ」と思い込まれていたのですが、悪かったのはメガネではなく目の方だったんですね。こういう患者様は本当に良くいらっしゃいます。
眼鏡屋さんに行って「メガネが合わないんだけど」と言えば、眼鏡屋さんは喜んでいくらでもメガネを作ってくれます。なぜならそれが仕事だからです。
でもそれは、
床屋さんに行って「ねえ、髪の毛切ったほうがいいかな?」と質問するのと同じかもしれないのです。
床屋さんは髪を切るのが仕事ですから「切ったほうがいい」と答えるに決まっていますよね。(笑)
つまり、メガネで目の全ての問題が解決するわけではないということです。何回もメガネを交換しても見え方が良くならない時には、ぜひ眼科専門医の受診も検討してくださいね。
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