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このインフィニティは、白内障手術機械の歴史上最も多く売れ、現在世界で最も多く使用されているベストセラーマシンです。発売は2003年と古く既にモデル末期なのですが、この9年間続々と新機能が搭載され、絶え間なくアップグレードされてきたことにより未だに高い戦闘力を誇っています。その最大の特徴は、
通常の白内障手術機械が、水晶体を削るための超音波が縦にしか出ないのに対して、このインフィニティは横にも出るということです。
そして横に出る超音波というのは、縦に較べて効率が良い上に目へのダメージが少ないのです。ただ、横発振だけでは機械が詰まったりすることもあったのですが、
数年前にOzil IP(オジールアイピー)と言って、横発振だけでは無理な場合に必要に応じて縦発振を入れることが出来るようになり、その欠点もほぼ解消しました。
私がクリニックを開業させて戴いている愛媛県八幡浜市は、高齢化率が極めて高く、そのために白内障が非常に進行した患者様が多い地域です。そういった進行した「固い核の白内障」に対してはこのOzil IPを搭載したインフィニティが他社のマシンに較べて相対的に優れていることもあり、 現在御機嫌で稼働中なのです。このインフィニティ、発売後9年が経過し、その間に欠点・弱点を一つずつ潰してきたためにとにかく完成度が高いです。良く「輸入車買うなら、熟成度の高いモデル末期を買え!」みたいな話がありますが、このインフィニティも全く同じ状況です。そしてインフィニティの製造販売元の日本アルコン社の素晴らしいところは、常に開発・進歩の手を緩めないことです。
白内障手術では、IA(アイエー)と言って、水晶体の皮質という周辺部分を取る手技があるのですが、これには専用のIAチップという道具を使います。このIA中というのは、我々白内障手術専門医が最も恐れている合併症の破嚢(水晶体の袋が破れること)が割と起こりやすい時間帯であり、非常に神経を使います。
今回この大切なIAに関して、日本アルコン社から画期的な新チップが発売されました。
この新型IAチップは、先端が従来型の金属製ではなく柔らかいポリマー素材で出来ています。そして、チップ先端で眼内レンズを移動したり回転させたりすることがスムーズに行えるような表面処理がされています。また、スリーブを確実にセットできるように設計されてもいます。
実際に使用してみてすぐに感じたのは、「とにかく前房(目の中)が安定している」ということでした。スリーブのセットが確実で隙間がないことが影響しているのでしょうか?、後嚢(水晶体の袋の底面)がピシッと安定していて自信を持ってフットペダルを踏めます。
またチップ先端の表面処理も効いています。眼内レンズを思ったように躍らせて粘弾性物質(手術時に目の中を保護しているヒアルロン酸製剤)を快適に安全に除去できます。
逆に欠点としては性能が高くて吸引力が強いので従来型のIAに較べると5センチほどボトルを上げなくてはならないことと、完全ディスポで1本1500円(定価)するということですが、これは一回使って見ればその価値・凄さはすぐに分かると思いますし、当院でも是非採用したいと願っています。そして、全国のインフィニティユーザーの先生方にも是非一度お試し戴きたいと考えています。
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