できるところから一つずつ
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母許といふ涼しさのありにけり 坂本祥子今朝のNHK俳句(選者:正木ゆう子、ゲスト:いるか)で放送された作品のひとつ。「母許」と書いて、「ははがり」と読むのも初めて知ったが、選者から、「ははがり」という古風な言い方が生きていて、母のもとにいる安堵感、季節感が感じられる。よい母子関係が短い言葉に表現されていると褒められていたし、ゲストもこの句を一番好きな句として選んでいた。ある程度若い方の句だろうと思いながら、私の母も(亡くなってから多少美化された部分を割り引くと少々心もとないものの)、いざとなればこんな風だったような気がする。私のどこかに精神的な甘えがあったのは確かだ。さて翻って、子供たちが私を思うとき、私は「母許」が「涼しさ」になるような母になれているだろうか・・・・と考えると、これはもう、自信をもって「自信がない」。でも、ダラスにいる息子よ、東京にいる娘よ、気象学的温度だけからいえば、今、「母許」はそこより涼しいよ。今日の最高気温は23度、最低気温は12度だと、さきほどの天気予報で言っていた。
July 22, 2008
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