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農哲@イタリア

農哲@イタリア

2010.07.04
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カテゴリ: 心の窓


ずっと草踏みをしていても良かったが、
最後の日曜日は彼らの提案でNadia(Fulvioの奥さん)の
生まれ故郷を訪れることにした。

1261.jpg

ここは山間僻地の谷間にある集落。
昔はでかい毛織物工場が2つあり、相当栄えていたそうだが、
今はそのうちの一つは閉鎖、もう一つは規模を大幅に縮小して
細々と続けているだけ。
人口は以前の半分以下、

そして、モロッコをはじめとした他の国からの移民。
若者はcitta(都会)へと流れていく。

…移民ということをのぞけば日本とほとんど似た状況。
先進国がたどる末路というのはどうやら同じ感じになるようだ。

しかし、日本の田舎と違う点を一つ見つけた。

それはここの風景にある。
一度は木を切り倒したという状況は日本と同じ。
太い木はあまりない。
しかし、彼らはめんどくさがりやだったのだろうか
幸運なことに、無理な植林はしなかった。

その結果、ここの風景は見渡す限りの雑木林。

1275.jpg



この差は大きいように思われる。

すでに何十年以上も経過して、もとの状況に戻ろうと努力している雑木林。
かたや何十年以上も経過して、疲弊してきている植林の森。

そして、この雑木林にはこの地域ならではもう見慣れた
Acacia(エンジュ)、Sambuco(ニワトコ)、などの木の他に、


Nadiaの母の実家のある集落へと続く旧道。
地面をみるとそこかしこにあのイガイガが落ちている。

なんて恵まれた土地なんだろう。

今では、この現地の人もほとんど
見向きもしなくなってしまったらしいが
昔はここの人たちにとって貴重な食糧だったという。


1284.jpg

さらに、ここは水が豊富な地域。
いたるところでfonatanaと呼ばれるわき水がでている。
ということは、この辺りはやっぱり雨が多いことでも有名な地域
とのこと。
そして、ということは、川遊びをしようと
とある川の上流のほうに着いたところに
夕立が直撃。
あわてて戻ることに。

そして、その帰りの道すがら
ついに見つけた。

ワイルドガーリック。
(行者ニンニクの一種)
1288.jpg


かねてからこのイタリアのどこかにはあるのでは
ないかと思っていたが、
ついに最後の最後になって出会うことができた。

もちろん、彼らイタリア人に食べる習慣はない。
もう時期も過ぎていて種になっているものばかりだったが、
かじってみると、あの特有のニンニクの味。


よく周りも見渡せば
自分たちを助けてくれる物が
必ずそこにあるはず。


このワイルドガーリックもそれの一つなのだろう。
この農耕には不向きな地で人間を助けるために
生えてきてくれたのかもしれない。
まあ、この辺りにはそれ以外にも
たくさんの天からの恵みにあふれているようにも思えるが。

恵まれている地だ。


にもかかわらず、その足下には見向きもせず
彼らはかえって遠くからのどちらかというと不自然なものに
手を出していく。
気がつけば、不自然な体になっていく。
見渡せば、ここイタリアも病気の人ばかり、
特に肥満率は相当なもの。
カナダでも、イギリスでも多いなと思ったが
ここもなんだか異常なほど。


先進国がたどる末路というのはどうやら同じ感じになるようだ。

内部からおかしくなるのだ。
体も国も同じ。

それはどうやら不自然な姿ではあるが、
宇宙の摂理の一部であるように思われる。

悲しいことだけれども、
すでに決まっていることのようだ。

静かに、静かに、今は静かに
天はバランスをとるべく動き始めている。


この2ヶ月間の総決算のような日。

どうなるかはわからないが
できる限りのことはやりたい。
先がどうなるかはなんとなく読めてしまうが
かたやこのすばらしい自然をみていると
希望にあふれているようにも思える。

とにかく、ここイタリアに来たことの重要性を
農業という観点でなく
また別の視点からも
改めて認識できた日でもあった。

Yasu





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最終更新日  2010.07.10 05:33:39 コメントを書く
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