日記

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東芝



2005年4月15日









 当社は、机の上などに水平に置いた画面から、立体的な映像を表示させる新ディスプレイ技術を開発しました。本ディスプレイは、教育展示やアーケードゲーム向けに開発したもので、正面から斜めの方向に見下ろすと、特別な眼鏡を用いず裸眼でも映像が数cm浮き上がるように見えます。
 今後、タッチパネルと組み合わせて画面に触れて操作する機能などを追加し、2年以内に製品化を目指します。

 裸眼立体ディスプレイは、両目にわずかにずれた映像を届けて立体感を感じさせるもので、微小なレンズを並べたフィルムで光の進行方向をコントロールするディスプレイパネルと、見る角度に応じた映像を作り出すソフトウェアによって構成されます。

 従来技術は、右目用と左目用の2種類の映像で立体視する2眼式が主流で、正しく映像の見える角度が限られ、目が疲れやすい問題がありました。
 本ディスプレイは、実物を見るのに近い光線を画面で再現するインテグラルイメージング方式(光線再生方式)を採用しており、十数方向(今回試作品では12、16方向に対応)から撮影した映像やそれに相当するCGデータを、見る角度に応じて表示させることにより、正面から左右30度くらいの範囲ならどこからでも自然な立体映像を見ることができます。このため、目の負担を軽減でき、長時間の視聴に向いています。

 ディスプレイの大きさは24インチと15.4インチの2種類で、光線の出し方などを水平に置く画面専用に設計しています。
 画面の解像度は、画素の配列を最適化したことなどにより当社従来技術に対し1.5倍にあたる480300画素としています。これにより、テレビの地上波アナログ放送並みの品質の展示映像やビデオゲーム等を立体表示することができます。

 なお、新ディスプレイについては、4月20日から東京ビッグサイトで開催される「第1回 国際フラットパネルディスプレイ展(Display2005)」において展示を行う予定です。

新技術の概要

1. インテグラルイメージング方式の採用
 画面で光の進行方向をコントロールし、実物を見るのに近い光線を再現するインテグラルイメージング方式(光線再生方式)を採用しており、特殊な眼鏡を用いず、広い範囲で立体映像を見ることができます。

【立体表示の原理】



2. 平置き最適設計
 縦置きディスプレイでは、目から画面上の各点までの距離がほぼ均一であるのに対し、平置きディスプレイでは画面上の位置によって大きく異なるため、これに応じた光線の出し方、コンテンツの作成が必要となります。平置きディスプレイに適した、光線の制御部、コンテンツ生成・再生のソフトウェアなどを新規に設計し、試作品では、画面から30cm以上の距離で、正面から左右30度の範囲内で、立体映像を見ることができます。
【応用分野】



3. コンテンツ作成ソフトウェア等
 本ディスプレイで表示する立体コンテンツは、16以上の方向から撮影した映像や、それに相当するCGデータを立体表示用のHDTVサイズの特殊映像に変換する、当社独自のソフトウェアを用います。立体映像をグラフィックスカードのみで高速再生するミドルウェアや、グラフィックスカードの負荷を低減させる専用回路も自社開発しており、製品化の際には、ディスプレイのハードウェアだけでなく、ソフトウェアを含めたトータルソリューションとしての提供が可能です。


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