バカネコ日記

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全て | カテゴリ未分類バカネコＰＣ講座 | バカネコのお話

2005年03月17日

玄関でピンポンと鳴るから、またセールスかな、と思いながら、
出てみると、今まさに立ち去ろうとする宅配便の声。
「あ、トドさ～ん。　お届け物です」

コロンは、先月17日に逝った。
その痛手から立ち直ろうとするかのごとく、めちゃめちゃな
スケジュールの中で動いていたら、すっかり月命日を忘れていた。

お届け物は、コロンへのお供えだったのだ。
なんと、飼い主のくせに、だらしのない。
急遽、法事をいとなむことにした。

水と花、線香と数珠を用意。
参列者は例によって自分のみ。
自分が坊主も兼ねるから、般若心経のカンニングペーパーも用意。

庭の片隅に棒杭を立てただけの簡単な墓に、
いただいたお菓子を供え、線香をあげ、経を読んだ。
これも例によって５分で終了。

コロンは、ここにはいない。
ここに埋まっているのは、故障して廃棄処分になった抜け殻だけだ。
一時は、剥製にすることも考えたが、やめた。
自慢の長い毛を一部、切らせてもらって、形見とした。
四十九日までは、そのへんでウロウロしているかもしれない。

ネコのいない生活にも、だいぶ慣れた。

はっきり言って、ラクになった。
エサも水も、砂もいらない。　毛や砂で部屋が汚れない
ウンコ爆弾も、シッコトラップも、あるわけがない。

あるのは、わびしさだけだ。

外出から戻ると、たとえ眠っていても、寝ぼけまなこで
トコトコ階段を下りて、出迎えに来たコロン。

お腹が空いて待ちきれないと、外の足音を聞きつけて、
玄関のドアの裏側で、鼻をこすりつけるようにして、
待ちかまえていたコロン。

ふだん愛想のないネコが、外出から戻ると、嬉しそうに
出迎えて、甘えてきた。

「コロンや、コロン．．．」
むなしく、口にするのは、もうやめにした。
言霊が、悲しすぎる。

虹の橋で、ちゃんと待っててくれると、いいのだが。

あいつのことだ、先に行ってしまうかも．．．。
そして、顔を合わせたら、まったく悪びれることもなく、
すっとぼけるのだろう。

「にゃんだ、ゲボクか」

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