バカネコ日記

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全て | カテゴリ未分類バカネコＰＣ講座 | バカネコのお話

2005年03月26日

「意識混濁、瞳孔拡散、バイタル下がってますっ！」
「緊急手術の用意をしとけっ、あと４分だ。　急げ！」
「はいっ」

ピーポー、ピーポー。
赤い回転灯が、闇夜を切り裂く。

「先生、型の合う血液がありません」
「さがせ！　何かあるだろっ」
「あ、血圧、心拍ともフラットです」
「電気ショックだ！　急げ」

「用意できました」
「いくぞ、いちに～の、さんっ！」　　バチッ！

「もう１回行くぞ！　いちにのぉ、さんっ！」
　バチバチッ！

　バチッ！　バチッ！　バチッ！　

「先生．．．もう．．．亡くなってます．．．」
「うるさい！　もう一回だ！」
　バチッ！　バチッ！　バチッ！　

「くそ～。　だめか．．．」

「あんれ、まぁ先生、何をやっとるだね」
「給食のおばちゃんじゃないか。　
　手術中に、勝手に入るんじゃない！」

「たしかに、ここはお勝手だども．．．」
「しょうがないだろ、手術室は使用中だったんだ」

「あんれまぁ、タヌキでないかい。
　先生、バカされただね。」
「何をっ！」
「たぬきを起こすにゃ、月夜に酒、と相場が決まっとるだが、
　今日はあいにく月は出とらんでの」

「な、何をする気だ」
「いや、昔は薪を背負わせたもんじゃが．．．」
「今時そんなモンないぞ」

「茶釜でなぐっても、ええんじゃが．．．」
「だから、そんなものないってば」

「昔は、泥舟に乗せてやったもんじゃ．．．」
「だから、どうしたいんだ！」

「いや、ホントに死んどるなら、タヌキ汁にするんじゃがの．．．」

　給食用の大型ガスコンロで、あぶられたタヌキは
　たまらず、飛び上がって逃げ出した。

「電気ショックでも、死んだふりしてたやつが！」
「ひゃっひゃっひゃ！　看護師もグルなんじゃ」
「えっ？」
「彼女もタヌキじゃ」

「なんでわかったんだ？」
「先生、ここはバカネコ村ですじゃ」
「だから？」
「ここは、ネコが主役でしてのぉ」

「あんた、いったい誰なんだ」
「化けるのは、タヌキだけでは、ござらんでの．．．
　あたしゃ、正統派のバケネコですじゃ、ひっひっひ」

タヌキを医学部の教授に据えたので、村長はネコ族に
不興をかっていた。
そしてその後、２度と給食室には近づかなかったという。

ちなみに、逃げたタヌキは、５匹のネコに捕らえられた。
村長の前に引き出された時は、ミミズ腫れで、
全身、アミタイツ模様になっていたそうな。

ニャッポン昔話、おしまい。
ちゃんちゃん。

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