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子どもの頃、どこかの動物園で、
荒々しいヒグマに出会った、
見るからに凶暴な目をして、
黄色い牙をむいて、
檻の鉄格子をガリガリかじった、
捕えたとき推定5歳の成獣だった、
と飼育係が教えてくれた。
いまはどうだろう、
どこの動物園へ行っても、
ライオンもキリンもゴリラも、
数代、いや数10代前から、
園生まれの園育ち、
密林も草原も知らず、
肉食獣は狩りの意識もなく、
肥えて毛並みは艶々して、
檻の外を草食獣が歩いても、
きょとんと見ている。
これはもう動物ではない、
命ある縫いぐるみだ、
全世界の命ある縫いぐるみは、
種によっては野生よりも、
個体数がはるかに多い。
哺乳類の王者人間界でも、
近頃、草食系の縫いぐるみや、
肉食系の縫いぐるみを着た、
若い男女が横行している、
カテゴリーという檻に、
みずから入ったほうが、
安心できるのだろうか。
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