MILANO‘S REVIEW

MILANO‘S REVIEW

『谷崎 泉』作品

谷崎泉作品



■君が好きなのさ

制作:インターコミュニケーションズ
キャスト:関  智一(加納つぐみ)デビュー間近なマンガ家
     堀内 賢雄(浅井 青士)アメリカ国籍の報道カメラマン。
     飛田 展男(広瀬   )浅井の友人の編集者
     中原 茂 (吉田   )つぐみの担当編集者

カメラマンの浅井に、出版社のエレベーターでヒトメ惚れされたつぐみ。
その時にKISSされたショックで落とした原稿を取りに行くと、今度は○ーカンされて、呆然と家に帰ってみればアパートは二階の家事で水浸しで、でも締め切り迫っていて、仕方なく(原稿を返す為に)ついてきていた浅井の家に居候するはめになった…

という、 絵に描いたようなBLストーリーの始まりです(笑)

なのに、許してしまうのは

火事になったのが自分ちではなく、ただ上からの水で住めなくなったという微妙な現実感

とか

最初から野獣だった浅井が、やっぱり最後までそのキャラを変えてないという統一感(笑)

とか、いろいろ理由もあるんですけど。楽しい一枚でした。

私も最初は、浅井のイラスト(メチャ野性的すぎ)と、直接的な会話が
「デリカシーの無い奴!!!」と、ムカついたんですが
だって、それまで『フジミ』の圭クンしか読んだ事なかったのですよ。あ~~のジェントルマンな彼のすぐ後にこの野獣ですから、受け入れるまで何十冊のBL本を必要としたことか…

しかし、その『可笑しさ』が、『谷崎小説』の真髄だと(勝手に)解釈した今では、

彼の

「(もっとKISSするために、エレベーターで)もいちど昇るか?」だの
「もーダメ!(ガマンの)限界v」だの
「自分で何回抜いたことか!」だの
「病気?大丈夫。ゴムつけてるし、オレ、鼻きくから。プロよ、プロv」

などの、天真爛漫というか、『何ボケとんじゃい!』と張り倒したくなるよーな無神経なセリフを 楽しみに待っている のでありました。
堀内さん、そこまでも2枚目すぎる声で言ってるので、もっとトボケタ声でも良かったんだけどな。

でも、全体的には
毎週、締め切りで修羅場になるつぐみを、仕事中は甲斐甲斐しく世話をし、食事を取るよう気をつけ(浅井は料理好き)、励ましつつも
一旦仕事が終わると、寝る間も与えないくらいに野獣化する浅井…υ
を、魅力的に演じてらしゃいます。

関さんも、そんな浅井に閉口しつつも無下に出来ない人の良いつぐみを上手く演じてます。(それに、何と言ってもアノシーンが上手い! 抵抗しつつも気持ちイ~ンv 感じが良く出てました(笑)ええ、ライナーでも賢雄さんがほめてます。)

担当編集者で、ホモにも理解のある中原さんは、人の良い感じがちゃんと出てましたし、

ちょっとクセのある、報道紙の編集、広瀬を、飛田さんがこれまた私のイメージ通りの声でやっているので驚きでした。
広瀬って、ちょうどヒカ碁のオガちゃんみたいな外見なんですよ。
なので、飛田さんの声は高過ぎるのでは??おまけに中原さんの声とカブるのでは…
と、思っていたのに、ちゃんと太めなダンディな声でピッタシ。飛田さんの実力に感動したのでした。

おまけに吉田の双子の兄(ゲイバーのママ)を演じた戸部さんがまたすごく上手くて、「あっら~~~v浅井ちゃんのお嫁ちゃんってあなた?」とか何とか…
イロイロ喋ってるだけで、沢山笑えて幸せな気分なのでした。

あと、音響、特にパーカッション強めのBGMが結構私好みでした。コミカルなドラマのムードに合ってたと思います。あのシーンの音響は…それほどリアルにしなくてもいいですけどね~~。///

お話も、つぐみのマンガ作成のシーンと、浅井の家に居続ける事を悩むシーンが交互(もちろん途中で野獣のシーンが挟まれますが。笑)で、冒頭の『同居の必然性作り』をのぞけば結構しっかりした作りです。

このCDの最後には、
「好きでないなら、ちゃんと考えないとね」
と、言っていた広瀬に
「居ます」
と、答え、
浅井にも 「ガマンしなくていい…って言ったら?」 と言っては後悔したりしているつぐみ。

本当は、この後も、好青年のアシスタントが来たり、浅井と真剣に付き合うことを決心して初めて、机やファックスを買いに行ったりと
好きなエピソードが沢山あるので、とっても続きを聞きたいです。

地味かも知れないけど、声優サン達は上手いし、トークのムードも良くて、私には『名盤』と言える一枚かもしれません。

いやー、最初、小説を読んだ時には(マンガ家という設定だけが面白い)とか言ってたのにな~~~(苦笑)




■しあわせにできる

原作:二見シャレード文庫
制作:インターコミュニケーションズ 2003年11月28日発売

イラスト:陸裕千景子
キャスト:森川智之(本田雪彦)
     置鮎龍太郎(久遠寺 皇)
     鈴村健一(各務 保)
     小杉十郎太(徳永 映)
     高木 渉(豊川課長)
     高田べん(平沢課長)

仕事ができて美人な建設会社社員、本田さんが、キリキリ舞いさせられているコメディですね(コメディなのか!)

それも、 置鮎さん×森川さんの異色のキャスティング でございます。

「フツー逆でしょ~~!!!」

と、なかなか受け入れられないワタクシでありました。

(あらすじ)

ニューヨーク支社から新しくやってきた久遠寺の、契約してきた仕事(多分大きなビルとか建物建設)のフォローをする仕事(資材を手配する部署)にいる本田さんは
久遠寺が沢山仕事を取ってくるもので死にそうに忙しいのです。

それを何とか(実力で)こなし、課の人達から尊敬(と密かな愛着)を受けている彼ですが、ある日、久遠寺が取ろうとしている仕事をライバル会社がスキャンダルにしようと画策していることを知ります。

本来なら久遠寺に知らせるべきなのでしょうが、彼が突飛な行動を起こすと
知らせてくれたライバル会社の友人にも迷惑がかかると心配し
久遠寺の上司に話して、その仕事を取らない方向に進めてもらいます。

久遠寺や会社を守る為にしたことなのですが、
それを久遠寺が怒って、ある夜○ーカンしてしまうのでした。


(感想)

この話を読んだり聴いたりすると、仕事をバリバリやりたくなります。(一瞬だけ)
でも、色気のある話ではないですよね。

会社の描写はしっかりしてますが、なんでそこで急に○ーカンなのか(お答え:BLだから。笑)
久遠寺が、本田さんをどう思っているのか
が描かれてないので、「 突然何よ! (キャスティングで不信感もあるし)」と、思いました。

おまけに、○ーカンしたくせに、本田さんが担当を外れたいといっても

「何故だ?」

と聞いて来たり

「だから悪かった」

と軽く謝れば済むと思っていたり、

合鍵を作って本田さんの 寝ている部屋に勝手に入って来たり

久遠寺って、 マジムカツク~~~!!!

と、思わずにいられません。

あげく、

「そうか、あの○ーカンがネックで、お前は俺の担当をやめたいんだな。」

「なら、 今度はヨクしてやる

とくれば

「お前!!! 人として、どっかおかしいよ!!」

と、叫びたくもなりますよね。

で、この辺りで、既に、キャスティングへの不満が 小さな問題 みたいに思えてきたんですよね~~。
(久遠寺が、あまりにも、壊れているので…)(ワタクシも壊れてきてます)


「お前!!!何を言ってるんだ!!!」と怒る(そりゃそうだ)本田さんに

「わがまま言うなよ。」と、(どっちがだ~~!!!)久遠寺がのうのう、しゃぁしゃぁ、のれんに腕押しヌカに釘、カエルの面に××で切り返すあたりではもう、

だはははは…!!!!

と、バカボンのパパ笑いしか出てきません。(脱力)

もうね~、

どうでもイイよ。仕事描写のリアルさに比べ、愛情描写の何という現実感のなさよ。(つか、愛情描写、ナイし)



でもでも、せめて「好きなのか単なる鬼畜なのか」くらいは教えてよ。

と、思っていましたら、

「お前には、ずっと狂わされっぱなしだ…」とオッキーが囁くではありませんか。

一応、久遠寺は本田さんが、好きなんですかね。

「お前を手放す気はない。」とも言ってましたけどね。

学生時代に本田さんがバイトしていた銀座のクラブのオーナー、映(アキラ)にも
本田さんの事を聞いたりしてますしね。

ほんとうは、もっと、ラブラブ表現して欲しいんですが、一応

おし!行ってよし!!! (ほとんどやけくそ)


本田さんを押し倒す久遠寺に、心で『キュー』を出していた、ゲンキンな私なのでした。

何事も 『慣れ』 なんでしょうか??? υ

トークをつかさどってくれた、課長役の高木さんが、ほのぼのしていて
癒しでした。ハハハ。

この話、全くのコメディとして楽しく読んでいる原作は、4まで出ていますが
本田さんが久遠寺を好きだと思うようになるまでには

あと40巻くらいかかるかもしれません…。(本当にファンなんですよ。これでも)

とにかく、次もCDが出ることを、祈ります。

■しあわせにできる2

2004年12月20日発売

CD2枚目出ました~~~。ヨカタ~~~

今回も、相変わらず、商社の建設資材部門で働く美形リ-マン本田さん(森川さん)が、、仕事の相方(こっちは仕事を取ってくる方の営業です)、久遠寺(置鮎さん)につきまとわれているところからです。

久遠寺は、金にモノをいわせて、寮の本田さんの隣の部屋を手に入れたくせに
そのまま本田さんの部屋に居座っているわけで
とうとう ガマンも玄海灘(なつかしー)な 本田さんは
カギを変えて、久遠寺が入れないようにしたのでした。

すると、久遠寺ってば・・・
ガシャーンと、ベランダから、マドを突き破って乱入です。 (ワイルド~~)

あわてる本田さんと、トボけつつ静かに怒っている久遠寺が
絶妙で可笑しいのでした。

(でも、本の方がもっと笑ったかな~。
実は慌てる本田さんの様子は置鮎ボイスで聴いていたので、イメージが変わって・・)

後半は、義理の弟和也(杉田さん)の恋愛問題に振りまわされる本田さんでした。

久遠寺に
「まったく人が良すぎるのもいい加減にしろ」
と、言われて

『そうか、オレは、人が良すぎるから、久遠寺にもこうして押しきられているんだな』 ←そうよ!そうです!そうなのよー!(うなづき3段活用)あまりにもオバカすぎて愛しいよ!

と、今頃、本田さんが悟っているのが、ちょっとツボでした。

でもでも、そんな家族の問題に悩む本田さんを
久遠寺がいちいち面倒をみて(さりげに弟にはカミングアウトして牽制しつつも)
包容力攻撃をしかけつつ
どんどん外堀を埋めていってるのも、このおはなしの醍醐味ではあります。

これに対し、
女は何人も囲ってるわ、本田さんをも狙っているわの節操無しキャラ
久遠寺の兄、映(あきら)(小杉さん)←本田さんが学生の頃バイトしていた銀座のクラブのオーナーでもあります
が、弟にアブラゲをさらわれたことに気付き
本田さんにちょっかいをかけようとするシーンが、
話にメリハリをつけていると言えましょうか。
今、私がドンブリにくっつけようとしたコチジャンのような・・
(今日はビビンバもどきなの)

そして、いつも思いますけど、
ノンケでお気楽で仕事はそれほどじゃないけど飲み会等の仕切りをさせたら天下一品な部下、各務を
鈴村さんがやっているというのが、とってもぜいたくだと思うのでした。
小杉さんも言ってましたよね。

この後、映のそのまた上の昴って兄さんが、これまた悪どく本田さんを狙う設定になるのですけど、
その役をだれがなさるのか、(だって、小杉さんの兄さんですよ~~。
顔は久遠寺そっくりらしいですから、置鮎攻めボイスのお兄さんですね)
とっても楽しみです

で、聴いているうちに、
押し倒されている割には凛々しいままの本田さん は、やっぱり森川さんで良かったのかなーという気になってきました。
置鮎さんも凛々しく受けることはできるけど、こころもち線が細くなったかもしれません。
(それこそ鈴音サマが気付かれた、別の本田兄のように?)

こうなったら、早いトコラブラブムードに持ち込んでほしいものです (百里の道も一歩から・・・υ)

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