子どもの壁になること



 逃げないというのは、子育てでいったら「壁」になるということです。 思春期の場合、子どもが暴力をふるっていて、ある一線を越えてしまった ら、とめようがないときがあります。本人もとめられない。だから越える 前にとめることがすごく大事で、ぼくはそれを「壁」と言っているんで  す。校内暴力で暴れていた中学生などは、警察が入ってとめられたあと  で、よく「とめられてホッとした」と言います。家庭でもそうで、暴れだ すと自分ではどうにもならない。
 「壁」と言うのは「ここから先は絶対にダメ」ということです。これ以 上やってはならない。相手がどんな人間かということとは関係なく、ここ よりは先は一歩も外に出さない、それが壁です。壁にぶち当たって、子ど もはおとなになっていくんです。子どもに当たられても動じない強さを持 っていないと、ぶつかる子どもが大変です。ぐらついている壁では、子ど もは不安になってしまう。
 ただ、そこで間違ったら困るのは、「壁」というのは動かないんです  よ。子どもを叩いたりはしないんです。ここから先は絶対にダメだ、とい って立っているだけです。子どもはこっちがそういう「壁」だとわかった ら、すごく安心するんです。

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