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2008.10.27
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中村うさぎ さん。
偶然見つけたので、読んでみました。
業の深い人と聞いていたけど、ほんとに煩悩の深き人。いかにしてそんな自分が作られたのかを、考察した一連の章がおもしろかった。
キリスト教の教えを信仰していて、なおかつ日本に住み仏教が身近にある人は、同じようにして苦しむのだなぁ。そんなことを思った。
苦しんではいないけど遠藤周作さんや、キリスト教徒じゃないけれど河合隼雄さんも、個人のあり方の違いに目を向けていたっけ。キリストと仏教とを同時に一人の心身に保ち続けるのは、本当に難しいんだ。心のバランスを崩していった著者の迫真の経歴を、勉強させてもらいながら読んだ。
自身を 愚者 と呼ぶ、赤裸々な告白文のようであって、実は 心理学 の本としても読める。うさぎさんが体当たりで出した答えは、どれも真摯な真実だと思う。


今の夫との関係も、かなり夫婦関係の真をついている。綺麗事は書かない。真似できるような選択ではないけれど、そんじょそこらにはない安定を手にしてこそ言える言葉ばかりだ。
耳の痛い言葉も多かったけど。
不可欠なのは 赦しである ―――そういい切ったうさぎさんには共感した。
これは夫婦、友達、家族、他者、すべての人にそうあって、すべての人がそうであるなら、それはそれは素晴らしいけど。赦す行為、じぶんはどれくらいできてるものやら。

カーペンターズ に関する独自の読み解きも興味深かった。憶測の域は出ないにしても見事だった。心って本当に爆弾を抱えやすい一部分なんだと、改めて思う。
カレンが陥った状態は、誰がなってもおかしくないものだし、人ごとではないし。そんな風に動いていく精神について、心について、なおのこと気になりわかりたいと思う自分がいる。
どんなリアルな現実世界の棘にも、ちゃんと理由はあるんだよね。






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Last updated  2008.10.27 22:50:26
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