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いつか、古本とビールの店『アダノンキ』にて、手にした古書。
まだ段ボールのなか、値段もつけられずあったものを、安く手に入れたのでした。
石川啄木といえば。
はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり ぢつと手を見る
やはらかに柳あをめる 北上の岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに
そんなくそまじめな短歌が教科書にのっていたばかりでした。
じつは、とてもシニカルでストレートな心情もたくさん詠んでいることを、今更ながら知って
頬を緩めています。
一度でも我に頭を下げさせし 人みな死ねと いのりてしこと
目の前の菓子皿などを かりかりと噛みてみたくなりぬ もどかしきかな
たとえばこんな歌をのせた教科書なら、ヒューマンな人物像に興味がもてるのじゃないか
と思うのです。載せずとも、余談でこっそり教えてくれる先生に出会えていたらなぁ、と。
だれにも共感できる、経験してきた感情を穿った、わずか3行。
それにしても享年26歳とは、、心残りや苦悩いかばかりでしょう。いまの世では若すぎる
死。
当時の文壇の人らしく、結核で果てた啄木亡き後、『一握の砂』『悲しき玩具』を一冊にま
とめた、本歌集が作られたのだそう。90年前の本。
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