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分譲のたび、同年代の似通った人々を受け入れていった【くぬぎ台ニュータウン】。二十数年が経ち、何にもないこの街は、切れ目なく老人を生み出していく。定年を迎えた山崎さんは、散歩することだけが日課だった。そんなある日、定年組の先輩達と出会う・・・

私はどうも重松清に弱いらしい。
定年をむかえたお父さんたちが、自分の居場所を探していく。
若輩者の私がこの話を理解したとはとてもいえないだろうし、実感も乏しいのだろうが、それでも所々、ジーンと来てしまう。
この話はそうでもないけど、重松さんの書く物語は、いかにも「お涙頂戴」的で、なんか展開が読めちゃったりもすることもある。それでも、面白いし、泣けてくる。

定年組(話のなかでそんな呼ばれ方はされてないですが)がやはりいい味だしてます。
照れ屋だけど、やる時はやる芯の通った山崎さん。
単純だけど、くぬぎ台のことを本当に考えている町内会長。
江藤さんや、藤田さんもなかなか渋いのですが、一番個性的なのは、野村さんでしょう。

それぞれが交わす会話も面白いです。

『家族』『街』『世代』
25年前は素晴らしいと思えた環境も、今となっては退屈なものに感じてしまう。求めた夢、理想と現実。それぞれの家族が抱える悩み。
ゴジラと化した定年組は、くぬぎ台のプラスチックで出来た模型を踏みつけていく。彼らの胸中はいかなるものか。
また、《ニュータウン・ミシュラン》という連載で徹底的に各地のニュータウンを批判する雑誌の取材を受けてしまう【くぬぎ台】。それに対する、定年組がみせた意地。

文庫版になって『帰ってきた定年ゴジラ』という章が追加されたようです。
こういうのは蛇足になってしまうことも多いですが、この話も良かったです。
もっと人生経験をつんでから、また読み返してみたい話です。





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最終更新日  2003年03月29日 09時34分12秒
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