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知力では、 ギリシア人に劣り、
体力では、 ケルト人やゲルマンの人々に劣り、
技術力では、エトルリア人に劣り、
経済力では、カルタゴ人に劣る

と自らも認めた、古代のローマ人。
では何故、あれだけ繁栄した大帝国を築き維持することが出来たのか?
建国の伝説から、王政を経て共和政にいたるまでの【ローマ人の物語】。



さて、これまたどう書いていいのかよくわかりませんが、思うがままに。
ギリシア、ローマというと世界史のなかで一番勉強をした箇所ではなかろうか?
(さぁ、始めよう!と思うといつも初め(=ギリシア)からになってしまうのは私だけ?)
大学で西洋古代史専攻ということもあり(実際は“運動部で磨くか”だったが)聞いたことのある名前が数多く出てきて、親しみを持ちながら読み進むことが出来た。

建設者ロムルスの名をとり名づけられた【ローマ】。
その誕生は紀元前753年4月のことといわれる(あまり年代をいれるのは止めよう)

テヴェレ河東岸の“七つの丘”。ここからローマの歴史が始まる。
ロムルスに続く2代目の王ヌマ(はじめて聞いた!)の治世。ヌマは神々にヒエラルキーを与えた。以前、 『楽しい古事記』阿刀田高  でも触れたが、多神教と一神教の違いに関する塩野さんの考え方は非常にわかりやすい。多神教の神は完全無欠である必要がないから欠点もあるが、守り神として多くの神々が棲みつく。また、ローマでは他の民族の神々でも排除されることはなかった。


冒頭に挙げたように、特別に優れていたわけでも、恵まれていたわけでもないローマはその後、まわりの民族と一進一退の攻防を繰り広げる。そしてやがて共和政へと。
(ここは大胆にとばします、笑)

建国から300年のこの時期、ローマの勢力範囲はまだかなり狭い地域で、アテネは十倍の規模、カルタゴはそれ以上であったという。ようやくローマはギリシアの諸ポリスと直で接触をもつことになる。ここで一旦、ギリシア文明、アテネの発展についての章となり、その途中で上巻が終わってしまうのは少々格好悪い。

そして下巻のスタートは、ペリクレス時代のアテネから。
“歴史上最初の、そして影響力をもつ国家としては唯一の、完璧な直接民主政”
しかしローマは、この絶頂期のアテネを模倣する、ということはなかった。

ローマではその後、貴族対平民の抗争が80年近く続く。
元老院、市民集会。執政官、独裁官、そして護民官。農地法、十二表法。(ここもかなり省略)信義を最も重視した、クリエンテスとパトローネスの関係(クライアントとパトロンの語源)
さらに、【ケルト人の襲来】による破壊、略奪。ローマ建国以来、初の屈辱であった。
しかしここからローマはゆっくりと立ち上がる。強大になる第一歩として。

ローマの再建。

リキニウス法の成立をはじめとする政治改革、血を問わない寡頭政へ。
(この辺りもかなり大事なところであるが、まとめるのが面倒なので省略)
※ちなみに元老院は、引退した長老の集まりなどではなく、現役バリバリの人々の集まりで30歳から議席をもてた。
対外的には、かつての【ラテン同盟】から【ローマ連合】へ。
敗者を隷属化するのではなく、共同経営者に!というローマ独自の政略。


東方を向いていた大王の視線と夭折。この辺りに歴史の不思議さというか面白さがある。
塩野さんも、歴史では「イフ」は禁句だが・・・と言いながらも、「もし、大王がローマと戦っていたらどうなったか?」をリヴィウスをひいてページを割いている。
時代は下り、ピュロスの戦死でもって、この物語はひとまず終わる。



全体的な感想としては、非常に読みやすく(確かにカタカナの名前、歴史用語なども多いが)とても興味深くて面白かった。丁寧な通史としてローマを知ることが出来る。ただ、歴史が苦手な人、ローマに全く興味がない人が読んだ場合はどうであるかはわからない。
文庫化に際して、塩野さんなりのこだわりもかなりあるようで(表紙には、必ず貨幣を用いるなど)その点も楽しめるかと。もうちょっと、一冊一冊が厚くてもいいと思うけど。
今回、まとめただけで考察ほとんどなし!
とても元史学科の感想文とは思えません(苦笑)
続きの分を書くときはもう少しましになるかと(まだ読めてませんが)

『ローマ人の物語1 ローマは一日して成らず 上』 
『ローマ人の物語2 ローマは一日して成らず 下』塩野七生 新潮文庫






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最終更新日  2005年02月01日 22時29分06秒
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