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祖母と二人だけの土蔵の中の生活に変化が起きた。


『深い深い雪の中で』含6編連作

いつかは読んでみたいと思っていた作品。
井上靖を読んだのも初めてでした。

克己ということを教えてくれた大学生の加島。
冴子が多少の軽蔑をこめて説明した、庭にある翌檜の木のこと。

「あすは檜になろう、あすは檜になろうと一生懸命考えている木よ。でも、永久に檜にはなれないんだって!それであすなろうと言うのよ」 (P42)

こうくると、とっても前向きで「失敗しても頑張ろう!」と
いった教訓話めいたものになりそうな気もするが、そんなに簡単ではない。
少年だった鮎太が、中学3年になり(『寒月がかかれば』)、高校を卒業して(『漲ろう水の面より』)、新聞社に入社し(『春の狐火』『勝敗』)、終戦を迎えた(『星の植民地』)。



「~ 貴方は翌檜でさえもないじゃあありませんか。翌檜は、一生懸命に明日は檜になろうと思っているでしょう。貴方は何になろうとも思っていらっしゃらない。」 (P112)

地味でも、自分がこうと決めた進むべき道。何をするにしても志が重要なのだろう。そのこと自体はわかっているのだが、自分をごまかしても仕方がない。乗り切れない自分がいる。私に一番足りないのは、ここかもしれない。

『あすなろ物語』 井上靖 新潮文庫 (昭和33年11月発行)





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最終更新日  2004年07月31日 16時12分37秒
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ひたむきに生きる  
ばあチャル  さん
123maoさんの幅の広い読書を垣間見ました。

井上靖!当時、求道的な小説が読まれていたのだなーと感慨深いです。つづく「しろばんば」「夏草冬濤」も真摯な探求、生きる方法の小説でした。でも清々しく、なにとはなしに惹かれましたことを思い出します。やっぱり日本の大作家のお一人なのですね。 (2004年07月31日 17時57分13秒)

Re:『あすなろ物語』 井上靖(04/14)  
わたしも『あすなろ物語』は大好きです。
これを読んで、他の井上作品にも手を出したんですが、ダメでした。(;^_^A
主人公の成長を描いた作品の場合、読み手である自分の成長に応じて、
感じ入る部分が変わっていくように思います。
わたしにとっては、『あすなろ物語』とパール・バックの『大地』がその代表格ですね。
今『あすなろ物語』を読み返したら、どう思うのかな?
maoさんの感想を拝見して、また読み返してみたくなりました。 (2004年07月31日 23時34分59秒)

Re:ひたむきに生きる ばあチャルさんへ  
123mao  さん
>123maoさんの幅の広い読書を垣間見ました。

いえいえどうもです。
ばあチャルさんのように積み重ねていきたいです。

>井上靖!当時、求道的な小説が読まれていたのだなーと感慨深いです。つづく「しろばんば」「夏草冬濤」も真摯な探求、生きる方法の小説でした。でも清々しく、なにとはなしに惹かれましたことを思い出します。やっぱり日本の大作家のお一人なのですね。
-----
彷徨いながらも、真摯な姿勢が貫かれていますね。
でもそれが重さを強要するものではないので、清々しく感じるのでしょうか。『しろばんば』も良く名前を耳にしますし興味があります。あとは歴史小説ですね。

ひたむきに生きる。
皆どこかしらそういう部分はあるのでしょうが、いかに正面から向き合えるかだなと思います。求道的な生き方に憧れながらも、息苦しさも感じ舞台から降りようとする弱さを自覚してしまいます。 (2004年08月01日 09時51分38秒)

Re[1]:『あすなろ物語』 うっかりしゃちべぇさんへ  
123mao  さん
>わたしも『あすなろ物語』は大好きです。

言われてみると納得ですね。
しゃちべぇさんは、檜になろうと努力なさってますから!自分ももっと見習わないと…

>これを読んで、他の井上作品にも手を出したんですが、ダメでした。(;^_^A

作品によってアプローチの仕方などが違うのかもしれませんね。ちょっと方向が違いそうな『楼蘭』『おろしや国酔夢譚』も気になっています。

>主人公の成長を描いた作品の場合、読み手である自分の成長に応じて、
>感じ入る部分が変わっていくように思います。

これはあるでしょうね。よく1冊を何年かごとに読み返す、という方もいらっしゃいますよね。

>わたしにとっては、『あすなろ物語』とパール・バックの『大地』がその代表格ですね。

なるほど。『大地』は未読です。あったかなぁー

>今『あすなろ物語』を読み返したら、どう思うのかな?
>maoさんの感想を拝見して、また読み返してみたくなりました。
-----
こんな日記でも、何かのきっかけになっていただけるのなら、こんなにうれしいことはありません!ありがとうございます。
(2004年08月01日 10時06分00秒)

Re:『あすなろ物語』 井上靖(04/14)  
Re-ka  さん
おぉ~懐かしいですぅ。久しぶりに思い出しました。
この頃山本有三さんの『真実一路』『路傍の石』今江 祥智さんの『ぼんぼん』『優しさごっこ』など片っぱしから読んでいた気がしますが、井上さんの作品はこのほかには『敦煌』しか読んだことがないという私です。

私の読書歴は青春というと大げさですが悩みの歴史にも通じるのかもしれないなぁと今気づきました。

まじめなまとめになってしまったなぁ(笑) (2004年08月01日 14時04分15秒)

Re[1]:『あすなろ物語』 Re-kaさんへ  
123mao  さん
>おぉ~懐かしいですぅ。久しぶりに思い出しました。

やはり読まれている方が多いですね。

>この頃山本有三さんの『真実一路』『路傍の石』今江 祥智さんの『ぼんぼん』『優しさごっこ』など片っぱしから読んでいた気がしますが、井上さんの作品はこのほかには『敦煌』しか読んだことがないという私です。

いづれも未読です(涙)
『ぼんぼん』は読む直前まではいったのですが(笑)

>私の読書歴は青春というと大げさですが悩みの歴史にも通じるのかもしれないなぁと今気づきました。

なるほど、そういうこともあるかもしれませんね。
私の場合、一人の作家を追及することが少なく気の向くままに手当たり次第なので、後で読書歴をふりかえった時・・・当時何を考えていたのか全くわからなそうです。

>まじめなまとめになってしまったなぁ(笑)
-----
いえいえ、ありがとうございます!
私も本来はマジメなので(?)OKです。
(2004年08月01日 17時01分14秒)

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