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2004年09月16日
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招かれざる意外な奴ばかりが集まっていた。
山奥にある歌川家の豪邸。
脅迫状、偽手紙。
入り乱れる関係の中、事件が起こる・・・



初安吾。
まぁでもそんなことを意識することもなく、普通にミステリとして楽しんだ。

非常に名高いこの作品。
まず、登場人物の多さが並じゃない。しかも、それぞれに癖がありすぎる!

主要なところでも、
作家(男3、女1)、詩人(2)、画家、劇作家、女優、弁護士(元秘書)…
さらには、怪しい医師と看護婦、復員軍人なども続々登場。

人間関係(男女関係)がこれまた複雑。
ちょっと挙げるだけでも・・・


・矢代の妻【京子】からして、多門の元妾。

・現在、一馬の夫人【あやか】は、かつて画家・【土居光一】と同棲。
・もう既に別れたかつての妻【宇津木秋子】(作家)は、現在【三宅木兵衛】(フランス文学者)と結婚している。
・が、関係は冷めており、心は【望月王仁】(作家)へ。しかしその王仁は、一馬の妹【珠緒】とも関係がある。

・一方、一馬は【明石胡蝶】(女優)が気になっている。(胡蝶は【人見小六】(劇作家)の妻)
・その上、妹の【加代子】(父は多門、母(名前不明)は女中)に愛されている。

といった具合。
このように、妾だぁ、愛人だぁ、あいびきだぁ、かつての○○だぁ、とごっちゃごちゃ。
人物相関図を書けば、数多くの線が交差してしまう。
表の関係、裏の関係、過去の関係。相思相愛、一方通行、拒絶、イガミアイなどなど。

ここに出てくる人全部(さらにそれ以上)が、歌川家大集合!なのである。もう大変。

1~37。A~M。イ~へ。
(仏間とか、玄関とかにまで番号をつけているから、全てが人の存在を表すわけではないけれど。)
うーん、とっても大掛かりなのが分かるでしょう。(でもそんなに長い話ではない。300弱)


さて、殺人事件なので、ちょっと内容のほうをみていくと。

一馬のもとには、かつてこんな封書がきていた。

お梶さまは誰に殺されたか?
すべては一周忌に終わるであろう。
憎しみも呪いも悲しみも怒りも。



元々心臓ゼンソクでひどく苦しんでおり、昨年死んだ。
村では、“一馬がお梶を殺した”という噂がでている(珠緒談)のだとか。

他に加代子の問題もあり、一馬は矢代を呼んだのだが・・・


とこんな調子で、役者が次から次へと舞台にあがり、
なんだか面食らっているうちに、事件がおこる。

そしてその事件に挑む、警察の面々の顔ぶれがまたユニーク。
駐在の巡査は普通だが、【カングリ警部】、【八丁鼻】、【読ミスギ】、【アタピン】・・・

あとは、まだ書き忘れていた探偵役・【巨勢博士】の登場!っと。
(矢代の弟子。小説の腕はサッパリだが、探偵の才能は脅威的(矢代談))


ざぁーと説明してみたものの、これではなんだか分からないですね。余計めちゃくちゃになってしまった。
1回目を読んだ時は、人物把握に困惑しているうちに続々事件が起きてしまい、トリックうんぬんどころではなかった(笑)
今回読み返してみると、ごちゃごちゃの中でのスピード感もなかなか心地良く、
謎解きとしても充分面白く読めた。(もちろん犯人はわかっているわけだが)
終わり方に物足りなさも多少残るが、読了後はなんだか妙な充実感があったりします。

この話を下敷きにした大長編の作品とかないのかな?(違う作者でも)
あれば読んでみたいと思うが、とても疲れてしまいそう・・・

第二回探偵作家クラブ賞受賞。
作品の発表(イヴニングスター社より刊行)は、昭和23年。(巻末年譜より)

『不連続殺人事件』 坂口安吾  角川文庫 (昭和49年6月初版発行)





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最終更新日  2004年09月26日 23時29分17秒
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