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秘境と呼ぶほど人里離れた山奥ではなく、ほんのちょっと街道筋からそれた所に、
今でも「かくれ里」の名にふさわしいような、ひっそりとした真空地帯があり、
そういう所を歩くのが、私は好きなのである。
(P9)

現代の「かくれ里」を訪ねる紀行エッセイ。
油日、櫟野、宇陀、吉野、阿騎野、金勝山、伊賀、越前、葛城・・・


非常に贅沢な本である。
装丁が絢爛豪華である、値段が高い、というようなことではない。
読んでいると、何だか心が豊かになったような気がするのだ。


仏像や古美術も、強いものではない。
それは不断の尊敬と愛情によって磨かれ、育ち、輝きを増す。
(P11)

神社仏閣、能や古典芸能などに殊更強い関心があるというわけではなく、
民俗学的なアプローチ、専門知識などにもまごつく感がある私であるが、

ふらっと行ってしまう寄り道がまた楽しい。
恐らく、出てくる固有名詞などは数日で忘れてしまうだろうが(覚える気がない?)
幼い時分に、“近所の何でも知っているおばあちゃんに昔話を聞いた”かのような、温かさ。
ページ数が少なくなっていくのがもったいなく、読み終えたくないなと思ってしまう。

こういう本こそ、もっとじっくりと内容や感想を書いていくべきなのだろうが・・・
私の力では、まとめ終わるのがいつになるかわからない。
よって簡単にここまでで終了。

今回読んだのは、講談社文芸文庫。
割高だなぁといつもは思うが、この本はそんなことない。
(といいつつ、私はもちろん古本で買っている)

単行本が刊行されたのは、昭和46年12月、新潮社から。

残念なことだが、そのままの状態で残っている場所は少ないだろう。
いつの日か、ゆっくりと旅してみたい。

『かくれ里』 白洲正子 講談社文芸文庫 (1991年4月第1刷発行)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
少し前、家の近所で、通称【ポンポコ山】が崩された。(正式な名はわからない)

あれだけ草が茂っていたのに、今は平らになっていてやけに広く見える。
小学生低学年の頃からこの地で過ごしてきた弟はショックを受けたようだ。
「俺の秘密基地があったのになぁー」と。
こういう場所が減ってしまうのはやはり寂しい。 ちょっと話がずれたかな。





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最終更新日  2005年01月20日 01時00分29秒 コメント(6) | コメントを書く
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