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2009.03.15

ワーグナー「ラインの黄金」は楽劇だった

テーマ：好きなクラシック(2397)

カテゴリ：オペラ

鑑賞日：2009年3月15日(日)14:00開演
入場料：￥4,725 D席４階（４列22番）

主催：新国立劇場

新国立劇場公演
Ｒ．ワーグナー作曲
楽劇「ラインの黄金」
（全１幕・ドイツ語上演／字幕付）
会場：新国立劇場・オペラパレス

指　揮：　　ダン・エッティンガー
《初演スタッフ》
演　出：キース・ウォーナー
装置・衣裳：デヴィッド・フィールディング
照　明：　　ヴォルフガング・ゲッベル

舞台監督：　大仁田雅彦
芸術監督：　若杉　弘
管弦楽　：　東京フィルハーモニー交響楽団

出演
ヴォータン：　ユッカ・ラジライネン
ドンナー：　　稲垣俊也
フロー：　　　永田峰雄
ローゲ：　　　トーマス・ズンネガルド
ファーゾルト：長谷川顯
ファフナー：　妻屋秀和
アルベリヒ：　ユルゲン・リン
ミーメ：　　　高橋　淳
フリッカ：　　エレナ・ツィトコーワ
フライア：　　蔵野蘭子
エルダ：　　　シモーネ･シュレーダー
ヴォークリンデ：平井香織
ヴェルグンデ：池田香織
フロスヒルデ：大林智子

感想

2001年3月新国立劇場初演の再演であり、来シーズに掛けて「ニーベルングの指環」の
４部作再演の第１弾（序夜）となる。
初演時はキース・ウォーナーの斬新な演出で話題になりＴＶ放送もされたかと思う。

オケピットは、コントラバス８本、ハープ６台を始め、沢山の楽器で溢れんばかりに。
指揮は新国立「魔弾の射手」でも振ったダン・エッティンガーで37才とまだ若いが、
音楽は淀むことなく流れ、巨人登場のライトモティーフでは座席が振るえるほどの音量
であったり、４幕「ヴァルハラ城への神々の入城」では荘厳な音楽となり、東京フィル
からワーグナーの世界を表現させていた。

演出は第１場「ラインの河底」は映画館のスクリーンと座席、第２、４場前半「山上の居城」
はスクリーン状に切られた中の事務所のような部屋の一室、第３場「地底のニーベルハイム」
はビルの地下フロア、第４場後半「虹の橋」は複数の番号表示のドアがある白い壁と複数の
矢印が吊された天井に囲まれた部屋でその奥が開きヴァルハラ城へ入場となる。
衣装もスーツやガウンだったりする。巨人はまるでブルース・ブラザース。
元々神々、巨人、小人の世界の話なので、正解がある訳ではなく、指環、黄金、契約が書か
れた杖等の小道具も出てきたので物語としてはよく判った。「よく判った」とは書いたが、
元々神が契約に縛られたり、ローゲを頼ったり、指環を欲しがってみたりと矛盾だらけの
物語なのでそれ以上深くは考えないとして・・・。

歌手はワーグナー歌いを揃え、何れも素晴らし。大音量のオーケストラの中でも、４階席まで
よく聞こえてきた。特にアルベリヒ役ユルゲン・リン、ヴォータン役ユッカ・ラジライネン、
ローゲ役トーマス・ズンネガルドが素晴らしかった。日本人も皆良かった。これだけ出来が
良い歌手が揃うことも珍しい。

１幕もの休憩無しの２時間４０分だったが、眠くなることもなく、その音楽に引きつけられ
正しく楽劇を楽しむことが出来た。来月の第１日「ワルキューレ」も今から楽しみだ。

End

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