お霊参り2

お霊参り2

坂本敏夫





坂本敏夫



「童舞」
夫の浮気と無理心中
自分の子供を殺した罪で服役していた女性がいた。
彼女は、親の反対を押し切り農家の嫁として結婚。
義父母の農家の手伝いをするのは彼女の仕事となった。
2児をもうけたまでは良かったが、夫が係長になると帰宅が遅くなり
やがて、夫婦生活もなくなった。
離婚を実家の母に相談しても『だから反対したのに』と言われるだけで
埒があかない。
いつしか『死にたい、死にたい』と思うようになった。
ある夜、二人の子の首を絞めて殺し、自分も死のうと高速道路のコンクリートの
壁へ車で突っ込んだが、死に切れなかった。
刑務所に来た当初は自殺することしか考えなかった彼女だが、自称占い師の
同室の女囚が二人の子の霊を呼び出してからは死ぬと言わなくなった。
二人の子の霊に会い、謝罪できたことで、二人の子のためにも生きると
決意したのだった。
現在、彼女は老人福祉施設でヘルパーとして社会復帰している。

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