お霊参り2

お霊参り2

猿田悠の著書




猿田悠




「冷蔵庫」
冷蔵庫に入って出られなくなり亡くなるという事故がもとで、冷蔵庫で
霊が出るという話が流行ってた時の話。
小学校3年生の少年とその友人が、河原に不法投棄されている冷蔵庫で
本当に中から開けることが出来ないか を検証することにした。
冷蔵庫には友人が入り、10秒後に少年が外から開けるというもの。
友人が冷蔵庫に入り10秒後にドアを開けると、びっくりするほどの
大きく目を開けた友人がじーっと動かずに座っていた。
声を掛けても、揺り動かしても何の反応もない。
結局、救急車で病院へ運ばれた。
数週間後、正常に戻り、お見舞いに行くと・・・
あの日、冷蔵庫の中で何があったのかを言っても、大人は誰も信じて
くれないだろうから、少年にだけ教えてくれるという・・・・
   『中にもうひとりいた』

「校門まで」
隆くんが小学生の時に、家が近くでクラスメイトの美樹ちゃんという
女の子がいた。
病弱のため、入退院を繰り返していたので、あまり学校には来なかった。
入院中の美樹ちゃんの容態がよくないと聞いたいた、ある日
美樹ちゃんから電話がかって来た。
『明日、学校に行くから』
隆くんが何か話そうとすると
『あした、朝ね』と電話を切られてしまった。
翌朝、美樹ちゃんから電話があったことをお母さんに伝えると・・・
『へんねー、集中治療室に入ったと聞いたんだけど』と首をかしげていた。
そして、隆くんが学校に行こうと家を出ると、外で美樹ちゃんが待っていた。
美樹ちゃんは病院の話を楽しそうに聞かせてくれた。
二人で校門をくぐろうとした時に
『ごめん、私、薬を忘れたから取り帰る。先に行ってて、ありがとう』
教室に入ろうとすると担任の先生がいたので、美樹ちゃんのことを伝えた。
『そうか、わかった』とだけ答えがあった。
ホームルームが終了すると、隆くんだけが職員室に呼ばれた。
職員室に入ると椅子に座るように担任の先生に言われ・・・
『美樹ちゃんが昨日の夜に亡くなったそうだ。先生はこのあと、みんなに
知らせなければいけない。隆が朝見たことはみんなに内緒にしておこうな。
先生は美樹ちゃんが最後に学校まで来たかったんだと思うよ。
隆は良いことをしたよ』

学校にも来たかったのでしょうが、隆くんに恋していたのでしょうね



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