コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

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2025.10.27
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カテゴリ: コミック感想


そこそこ面白いんじゃないでしょうかね?
ヒロインのオッドアイ設定や、相手の男設定マフィアだったりと、一風変わった設定になっているので好きになれる人は多そうな作風といえます。

しかし漫画家さんの絵がですね、上手いのですが、致命的といっていいほど「アクション」が描けません。緊迫感もへったくれもないんですよ。でもそこが「見せ場」なんですよ?そこが描けない時点で、「うーん…」となってしまいました。
あとはやたらとポエミーなのは仕方ないかな…
女の子のデザインは好きですし、キャラそのもののデザインはいいと思うんですよ。丁寧な絵ですし、受け入れやすいと思います。

でも、繰り返しますがこれは「マフィア」ものでもあるんですよ。
なのでカーチェイスや銃撃戦などがあります。もちろん銃で相手をヤッちまうシーンもあります。
マフィアものですのでそういうのも描いてくれたのは良いと思うんですが、緊迫感がまったくないんですよ…

ところがその車の運転シーンは描けてないし、スピード感はゼロでほぼ静止画。
銃にしてもそうです。「銃」をみせてくれるのはいいんですが、撃つシーンが壊滅的に…迫力なくてね…撃たれて倒れるモブ男なんてどうでもいいんですが、なんつーか…主人公ロレンツィのぼっちゃんかっけーってならないし、非道な男だわぁ、ともならないんですよ。

なのでヒロインのリタがビンタ食らわせても、「無」なんですよ。
つまりそのシーンに何らかの「激情」感がないので、ずーっと虚無なんです。
そもそもが、ヒロインともう一人の女が拉致されるシーンも緊迫感ないしねぇ…
リタが声が出ない設定ってのはいいとおもうんですが、この声が出させない、という設定を緊迫したシーンでうまくいかせてないんですよ。

漫画としての展開がみょうにわかりにくかったり鈍かったり、淡々としてていいっちゃいいんですが、読んでてなんらかの感情がわいてくるってことがないんですよ。

これ、冒頭がそうで。

一話目の冒頭カラー、ヒロインが真ん中に描かれていて、その上の子まではどうやら誰かが人買いに強引に買われて叫んで抵抗してる?らしい吹き出しがあるんですが、その叫び声をあげてる誰かが描かれていないので、なんつーか、よくわかんないんですよ。
このカラーがそこそこひどくて、建物は描かれてますが、売買されてる舞台?にだれがいるかもわからないし、舞台下に客がいるんですが、座っているのか立ってるかもわからない。
で、ヒロインの横に誰か座ってるらしく見えたのですが、もしかしてこれもヒロインなの?と、どうもよくわからないカラー冒頭


「この街では人の売り買いがされている」と始まるんですよ。

この街ってどこやねん?
というか冒頭カラーからつづいてこのページならいいんですが、男の電話シーン挟んだ意味は?

もうちょっと丁寧にコマわりというか、展開してほしかったんですよ。

男が電話してるシーンなんてはっきりいってそこまで必要じゃないんですよね…


なぜならこの男はヒロインのリタを連れて逃亡を図るからです。

ちなみにこの逃走シーンもひどいものです…
何が起こってるのやらさっぱりわからないし、なんというか、逃亡シーンって緊迫感があるいい見せ場なのに、全然面白くないんですよ…

そもそも金をちゃんと支払って購入したのになんで追われるんですかね…
マフィアだから追われるのも変で、誰がロレンツィ家のぼんぼんを追ってるかがわからない。
これが敵対勢力とかならわかるんですよ。
「そいつはアルバート・ロレンツィ」だと叫んだのは誰なのかがわからないんですよ。

この逃走劇は、急いでいるシーンだからってのはわかるんですが、その「急いでいる」という描写もかなり稚拙で、大事なシーンなんだからあわてずに丁寧に描写してほしいシーンなんですよ。
せめてここで、追ってきてるのが「誰か」というのをチラリと名を出してほしかったんです。警察なのかどうかもわからん状態なんですよ。

ヒロイン・リタのここらの感情もよくわかんなくて、金で買われたのに何で迷ってるんですかね?
男にしてもだます気で「助けに来た」と言ってるんなら、それらしい顔をしててほしいんですよ。
リタは「金で買われたのだから仕方ない。どんなきっかけであれ街を出ていけるのならチャンスだ」と思っているかってーとそうでもない。

なんかイケメンにほだされただけっぽいんですよ。

なので、なんか同情できないっていうか。

ヒロインのリタがどういう子なのかよくわからないんですよね。

きちんと食事のマナーもできているし、文字も描ける。
そういったことに関しても早いうちにというかちらっと見せでもいいので、実は過去にとある老女にマナーを仕込まれた…ってのを示してほしかった。
豪華な食事を出された時に、「まさかこんなところであの人の教えが生きるなんて」みたいなモノローグがあっても良かったでしょうに。

このマナーがちゃんとできてるシーンについては、アルバートも気づいてるらしい描写があるから、なおのこと惜しいんですよ。

そしてこのリタだけど、警戒心があるそぶりを見せておきながら、アルバートのうさんくさい「商談」に乗るんですよ。それはいいとしても、そのあとのリタの感情がよくわからない。


ぶっちゃけね…大金で買われた身なんですよ、リタ。

その時点でアルバートの「物」になってることを理解しないとダメでしょ。
そして条件は悪いものじゃない。

相手がマフィアだからと躊躇してるけど、そんなん関係ないんですよ。
だって「買われた」んですから。

これがね、人身売買の舞台で、金を支払わずにリタを盗んだ、というのならまだしもわかるんですよ。

大金で買われた…もちろんその金はリタにびた一文も入ってきてるわけではないけど、事実としてリタは「買われた」わけですよ。
そしてそれをきっかけに人身売買してるやつらの元からは逃れられた。
でも、「買われた」という事実は粛然としてリタの前にあり、リタはそれをもっと深刻にとらえていないとおかしいんですよ。

だのにやたらと強気なんですよ。
買われた分際でと言われたら、リタ、言い返せないでしょ?

アルバートの嫁になる契約にしても条件を聞いてサインした以上は、言いなりになれとまではいわないけど、契約を履行すべきなんですよ。

なにしろ相手はマフィアなんですよ?
用済みだからとヤられてもいいという覚悟もってるの?

このあたりのリタの感情や思考がよくわからなくて、微妙に同情できないんですよ。

とつぜんいい子ちゃんムーブかましてみたり、かとおもえばアルバートに強気に出たり、何がしたいのかがわからない。

どうも好きになれないんですよ。

アルバートに関しても、胡散臭い点はいいと思うんですが、イキった若者だなぁくらいにしか思えなくて、有能には見えないし、よくわかんないんですよ。ミステリアスな雰囲気もあまり出ていないですしね。

つまり、どこをとってみても中途半端さが否めないというか

これはたぶん、キャラ自体の造作がいいから不満が出てしまうってこともあると思います。

話自体は、そこそこ面白いんじゃないでしょうかね?

全然緊迫感のないマフィアものってどうかとは思うんですが…まあ、少女漫画だし仕方ないのかな



正直物足りなさが上回って、先を読みたいという気にはなれませんでした。

とはいえ、一風変わったといえなくもないコミックなので、読んでみるのもいいかもですね。





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最終更新日  2025.10.27 22:00:05
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