コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

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2025.11.02
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カテゴリ: コミック感想

これはなんつーか…物語としての態になってないんですが…

絵に関してはかなり癖があるので好みは別れそうですね。
というかぶっちゃけましてそんなにうまくはないんですよ。ただ「目」だけに力は入れているし、まあそれなりにがんばって描いているような気はしなくもないんですが…これたぶん、素材とかいろいろ使ってごまかしてるからぱっと見描きこんでいるように見えるんですが、デッサンは微妙ですし、キャラの描き分けもそんなにできてはいません。

というかね、なにもかもが足りないとしかいいようがないです。

まずくだらない婚約破棄からはじまるんですが、このどーでもいい婚約破棄ってほんといるんですかね?

話もおもしろくないのですが、それよりも漫画の描き方もかなり悪いですね、これ。
婚約破棄からスタートしてるのに、主人公の名前の「イレーネ」というのがわかったくらいで、この悪い顔の男女がだれなのかわかりにくいんですよ。

読んでいくとどうやら第一王子らしいんですが、そもそもなんで聖女は王子と結婚しなくちゃならないのかがわからないし、説明らしい説明がないんですよ。


そして書類仕事を聖女がやってるんですが、その書類仕事の内容がまったくわからない。
というか、聖女が事務仕事やる意味ってなんでしょうか?

ここはたぶん、仕事押し付けられてカワイソーヒロイン、そしていろんな書類仕事こなしてきた実は有能ヒロインってのを演出したかったんでしょうが…つまり作者のご都合というか、テキトーにつくった設定を、意味もなくただ描いているだけなんですよ。


そしてなんか知らんけどヒロインのイレーネは国外追放されるんですが、それもそもそも意味が分からんのですよ。

軍事大国のグレノス公国に「人質」としてとばされるんですが、この経緯がまったく描かれないんですよ。

だってこんな人質おくって、なんか意味あるの?
人質送るのが慣習みたいなこといってますが、過去の履歴がない以上分からないし、そもそもグレノスではイレーネを歓迎しているので、おそらくイレーネをこちらに寄越すよう依頼していたと思われるんですよ

そしてヒーローであるルドニークだけど、かれはどうやらイレーネを前から知っていたっていうお約束展開があるんですよ。それ自体はいいんですが、それならとっとと呼び寄せりゃよかったでしょ?

あとからイレーネが故国で虐待されていたと調査で知るんですが、それでイレーネの故国をぶっ潰すみたいなこと言うんですよ…最低すぎでしょこのルドニーク。
イレーネを虐待してきた昼聖女と王子にだけ報復するのならまだわかりますが、国民になんの罪科があるってんですか。これだから軍事国家はとかいわれるんですよ。


だってルドニークがさっさとイレーネを手元にひきとっていればイレーネは無駄に虐待されずに済んだし、国としても聖女がいてくれて安泰だったわけでしょ?



あるいはイレーネの所在を知るのが遅くなったというのなら、そういうのを描いておいてほしいんですよ。
じゃないと、ルドニークがただの無能になる。

国主という立場にいるんだから人をやってさがさせる方法はあったでしょ?

もうね、なにもかもが「足りない」でしかないんですよ。
説明も足りないけれど、それ以前に世界観をきちんと作ってないのがまるわかりです。



軍事国家となったのは魔物討伐が頻繁にあるため、しぜん、戦う能力が上がっていったってのはまあわからないでもないです。
でも、ただそれだけで軍事国家として「おそれられている」って不自然なんですよ

他国に侵攻しまくって領土も奪いまくってるってんならわかりますよ?
でもそういった事実は描かれいない。

だれか「人質」を送ったとして。それでなんの効力があるっていうんですか。
それも元孤児の聖女を送って、役に立てとかないでしょ?

もうここんとこの設定がガバッガバすぎて、何をどう楽しめばいいのかわからないんですよ。


しょせんは、虐待されてきたカワイソーなヒロインがイケメンに溺愛されてはっぴーえんど、っていう「物語」にすらなってない何かでしかない。シンデレラストーリーが悪いというわけではないんですよ。

聖女だのなんだのといちおう何かしらを「設定」しておいて、しかし実態は何もない、というのがよくないんですよ。


とはいえ、物語のなさに見合った、漫画家さんの画力、ではありますね。

キャラの顔が男女問わず同じなのもそうですし、たぶん体もうまくかけない。
そしてなにより、魔物が襲ってきたといいながら、その魔物の襲撃もまともに描けていません。

イレーネが結界を張った絵にしても、素材を使っただけ。
そのあとに、なんでかしらんけどルドニークがお姫様抱っこをするんですが、よくわからないんですよ、トーンの効果が邪魔で。そもそも駆け寄るシーンがかけてませんしね。基本的にこの漫画もバストアップだけで話が進みます。

ちょっとした見せ場ともいえるだろう、子供がイレーネに花を手渡すシーンも、花と顔だけなんですよ。
ここはイレーネが子供の目線に合わせてかがんで、花を受け取るというシーンを描くべきなんですよ。
イレーネが国民と合うこと自体が初めて、しかも感謝され、贈り物をされる…ヒロインとしては嬉しく、感動的なシーンとして描くべきなんですよ。わたしでも役に立ったと自覚するシーンでもあるから。

そのあとの国民たちの騒ぎ方も局所的でしかなくて、しかもなんかノリが大公殿下と聖女、といった雰囲気じゃないんですよ。
中学生みたいなノリが寒々しい…

まあ、絵もそうなんですよね。
大公の年齢はわかんないけど、十代かな、といった見た目です。
この大公のバックボーンもまだ序盤なのでわかりませんが、まあ、べつにどうだっていいや、というくらい、魅力がありません。
だって顔がヒロインと同じなんですよー


やたらとトーン多用しているせいで、ページのとっちらかり感がすごいんで、ちょっと読みにくいんですよ。

朝の聖女のキャラデザは好きと言えば好きなんですが、もうほんとね、ノリがJCでついていけないし、さむいったらないんですよ…


なのでこれは、いい大人が読む漫画ではないですね、ということです。

ある意味でそれが分かりやすい漫画だとはいえるでしょう。

軍事国家だのなんだの無駄なことかかなきゃいいのにな、といった内容です。
あまりお勧めはできませんが、聖女ものがお好きなら読み進めてみてもいいかもですね…
いや、ほんとお勧めはできませんが。





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最終更新日  2025.11.02 22:00:05
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