コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

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2025.11.30
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カテゴリ: コミック感想

これ、令嬢ものである必要あるシリーズです…いやほんとね?なんで令嬢ものでこのストーリー展開をやる必要あるの?
一応魔法とか出てますが、それが物語的にべつに必要かといえばそうでもないんですよ。

その魔法がどうのはもうなきものとして読んだところで、ほんともうこれ、言ってしまっては気の毒ですが、すんごくつまんないんですよ。

まずね、ヒロインのシェリーがあほの子すぎるんですよ。
これがもっと突き抜けていればいいんですが、もうほんとね、口汚く言いますが、「ばっかじゃないの」、と。

このシェリーの学生自体から始まって、そこでイケメンのノエルが好きで眺めているだけで幸せ…なのかと思いきや、ごくふつーに「好き好き」言いまくってるんですよ。
そしてノエルの方もまんざらではない、といったところで学生時代がなんか終わっちゃってるんですよ。


はぁぁぁ?なんで?

なんでその、いい雰囲気になったところからの物語を展開しないの?

もちろんこのいい雰囲気になったところで突然ノエルは姿を消した、とあるんですが。
なんで行方を探そうとしないの?どこにどうしているのかストーカーしようとならんの?
彼はその後姿を見せなくなった…そして三年…って。

つまり、彼の行方をなにがなんでも探そうというほどには好きじゃなかったってことになるんですよ。

この「彼の行方を捜す」だって物語として描けば面白くなったんでは?
なぜ端折るの?
あとから説明されるとは思うんですが、シェリー視点の話で始めているんですから、シェリーがいろんなツテを探してみるものの行方はつかめず、結局は手の届かない雲の上の人だったんだと「失恋」しちゃったと泣くシェリーを描いてくれた方がよかったんですよ。

だからこそ、後に職場や社交界でノエルと再会したときのドラマがもりあがるのでしょうに、その「ドラマ」がまったくなく、しれっと会話してるんですよ。


このシェリーの感情が、ほんとわかんなかった。

どう考えても、ノエルが好きで好きでたまらない風には見えないんですよ。

何かをしていたにしても、それは「描かれていない」のだから、「何もしてない」という情報しか読み手には入ってこない。
描かれていないんだから、それは「無い」んですよ。

ここ、わかってますかね、作者さん

何枚もページさかなくとも、ノエルを探している、見つからなかった、失恋しちゃったのかな…という流れを描いてほしいし、のちにノエルと再会できた件は、きっちり描いてほしかったんですよ。

ノエルを見かけて、そしてシェリーはどうしたのか、というのは大事なことなんですよ。


学生部分があくまでプロローグであるなら、ですよ?そして実際プロローグなんですよね?


なのに、スタート地点がないまま、いきなり物語が始まってる態で語られても、読み手はどう受け取っていいのかわかんないんですよ。
三年間の空白の意味とは?ってなるし。意味のない空白期間なら、はじめからなくていいやん?




これね、ラブコメとしてシェリーはノエルのことをあくまで「推し」、つまり観賞用として好きなだけで付き合うとか恋人にはなりたくない、できれば遠目で眺めていたいのでクラスメイトになったところで近寄ろうとは思わない、というスタンスだったんならわかるんですよ。

あるいは、シェリーはノエル大好きで、もちろん距離も詰めていくんですが、ノエルの方がそれを軽くあしらっている、「あー、はいはい」みたいな態度で、それがずっと変わらない。

というパターンならいいんですよ。

これって、いにしえの漫画にもよくある展開で、たとえば
「イタキス」がそれなんですよ。

琴子は入江君大好きでもーそれはストーカーかいっつーくらいつきまとうんですが、はじめ入江君はまったく興味持たないんですよ。で、親同士が仲いいもんだからってんで婚約とかまで進むんですが相変わらず琴子の片思いで…けれどある時から入江君は…という王道ラブコメで、「もどかしさ」が売りでもあったんですよ。


では上記のコミックは?
まったくどこにも面白そうに感じる要素がないんですよ。

シェリーは見てるだけでいいとかいいつつ、所詮はガチの恋愛。
で、告白っぽいことはしてるんですが、それで止まっている。そのことに関してべつに不満がってないんですが、ノエルに親しい女の子いると胸が痛む…とかいう展開なんですよ。

だったら、別に「引く」必要はなく、とっとと本気で好きなんです、と告白すりゃいいんですよ。
ノエルには少なくとも嫌われていないことが学生時代の話で分かってるんですから。
でも友達としてしか見られない、と告白に返されたら、そこから好きになってもらえるよう、いろいろ画策してガンバルゾー!!!ならわかるんですよ。

でもそれもなく、わけわからん自己満足でしかないくっっっっだらない魔法かけて、それで自分で落ち込んでるんですよ。

バカなの?
このヒロイン、ほんとバカなの?

読んでて共感どころか、気の毒にすらなりましたよ、このなの物語の主人公として生かしてすらもらってないんですよ、作者に。

タイトルを活かしたいなら、
「押してもダメだった」
ということをまず描いておかなきゃいけないんですよ。
でもその「ダメだった」という出来事・エピソードがまったくないんですよ。
上でも書きましたけれどね、つまり物語に起伏をつけようという意気込みがないんですよ。


けっきょくくだらない魔法をかけたのって、ノエルから婚約してほしいとの申し込みがある、というのを前提にしてしまっているので、もうこのイベントありきで、キャラクターが生きてものを考える人間として描かれていないんですよ。


そしてくだらない魔法かけてすぐ後悔してしょぼーんとされても、

自業自得やん?
となって、シェリーに共感も同情もできないんですよ。
ほんと、「バカなの?」って毎回思わされるので、こちらがしんどいんですわ



「イタキス」みたいにながく片思い期間を描け、とまではいいませんが、せめて学生時代をもうちょっと丁寧に描いてほしかったし、少なくとも一度はきちんと「失恋」してほしかったんですよ。

この失恋を経験してもなおやはり好きで、あきらめきれない、というのならアホみたいな手段を講じても両想いになるぞーってのもわかりますし、そこにコミカルな要素だって入れられるでしょう。

もうほんとね、描きたいシーンだけがあり、その前後をまったく考えてないし、キャラクターに命がないんですよ。

こんな紙芝居以下の話をどう楽しめばいいのやら。

これって、たとえば短編だったらいいんじゃないかなと感じたんですよ。

彼の気を引きたい女の子が魔法であえてクール女子になって彼に冷たく接して、彼の関心を引こうとする。けどなんか片思い確定だと思っていたのにどうも違ったらしく、魔法が切れたその瞬間にやっぱり素直に好きっていうんだ、っていう感じで。ほんでハッピーエンド、でいいやん?


だからね、これまず「短編」として描いてみるといいんですよ。
するってーとイベントも凝縮せざるをえないので、まとめる力が養えて、要らんことを省けるようにもなります。


要らんことが多いんですよ、これ読んでると。
物語になってなくて、描きたいことだけ書いてるだけです。


絵に関してはまあそこそこ上手いとは思うんですが、時々変なことになってて笑ってしまうところがなんかしょかありました。

ここらはいちゃもんレベルかもしれませんが…
まず冒頭の話で、同級生の男の子がとつぜん教室に現れてプリン買いにいこーぜと腕をつかむシーンがあるんですが、

腕…どっから生えてんの?
「おわかりいただけただろうか…」みたいな心霊写真みたくなってんですよ。手がね、ヒロインの腕にかかってて。赤丸付けたら心霊写真ですわ…

それと、のちにノエルが婚約申し込みに来たときのシーンなんですが、
ヒロインが自分の顔「酷い顔」とティーカップに添えられたスプーンに映ってる自分を見て思うんですが。

うん、その距離と位置ではまず顔は映らないし、よしんば映っていたとしてもよくその距離から表情みえましたね?あと、スプーンって曲がっているので歪むからそりゃ可愛くは映らんやろと。
なんでここ、鏡にしなかったかね?いやその鏡をどこに置くのかはさておきですが。
それか、きっと今、ひどい顔をしてる。という憶測だって別にいいんですよ。
言いたいことが言えずに口が歪んでいる可能性だってあるでしょうから。


駆け寄る、というシーンもかけていないし、これもまた基本的にバストアップだけで進んでいく展開が多いので、漫画としてわりと退屈なんですよね

おもしろいかおもしろくないか、以前の問題というか。
イラストを楽しむだけならいけるかもしれませんが、これを読むならイタキスの方がいいですよ…ながったらしいし未完ですしご都合展開もありますが、ちゃんとラブコメしてます。


ということで、正直、おすすめできるコミックではありません。





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最終更新日  2025.11.30 22:00:06
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