コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

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2025.12.02
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カテゴリ: コミック感想





【注意】リンクはノベル版ですが、読んだのはコミカライズ版です。

コミカライズ版の方は…絵も漫画も下手なんですが、物語の展開自体がものっすごく雑です。
そしてところどころ日本語もおかしいので読んでいて…非常にもやっとしますね…

不遇ヒロインものなのでつまらないこと請け合いなんですよね…ばかばかしい展開が続くんですが、これは、物語の進め方が雑すぎるからだと感じました。

ヒロインのユリアーネは実家で虐げられている伯爵令嬢なわけですが、伯爵家のわりに家はそこらの安い戸建てみたいな建物かっていう内装で、しかも家のことを全部ひとりでやらされているらしいんですよ。うん、伯爵家ですよね?
父親が資産を使いまくっているとかいうけれど、領地とかはない名ばかりの伯爵家ってことなんでしょうか?

まぁ、もうどうでもいいや…ほんとにこのあたりの描写が漫画家さんも下手で、令嬢ものっていう雰囲気が全く出てないんですよ。


いや、ドレスの仕立てってそんな簡単なもんじゃないんですけど。そんなの素人に任せて大丈夫なんすかね。

そして伯爵家なのにメイドやらを全部追い出したと描かれてあったんですが、伯爵家の体面とか…どうなってんの?

もう、ほんとこれ令嬢ものなの?

こういうのちゃんと考えてないんだなと思いますよ…

ユリアーノは母方の「フィメール伯爵」を継いでいるわけですが、ここに婿養子として連れ子つれた「フレンケル伯爵」がはいってくるわけですよね?

で、まあ、フィメール家の資産を使い果たしてるってのはまあいいとして、これ、ユリアーノは「法的」にどちらの娘になってるんだろうねっていう、これはあとあと必要な設定なんですけど…

まあ、もうほんとどうでもいいや、この不遇アピールのとこは。

これってね、冒頭、顔も知らない婚約者がユリアーノにはいて「文通」だけはしてるですよ。
で、その「文通」だけで交流して、その「文通」「婚約者からの手紙」だけがユリアーノの心の支えになっていると。

つまりこれって古典「シラノベルジュラック」がベースになってるのかなと考えたんですよ。
というのも、途中からなんですが、「婚約者からの手紙」は別人が書いているんですよ。それがユリアーノの相手となるルディという公爵家の次男です。


古典ですので、このシラノをネタにした話っていろいろとあると思うし、ネタにしているからこそ面白くなるかもと感じることもあったんですが。

うん、面白くなることはなかったです。

というのも、その「文通」、そっこく終わってしまうんですよ。
もったいなさすぎるやろ…
ここをもっと丁寧に描いてほしかった。



そして手紙を書いていたルディはユリアーノの婚約者と偽って、真愛を込めた手紙を書き続けている。ユリアーノが好きだという気持ちは本物で、ユリアーノには婚約者がいるとわかっていても、あきらめきれない。ならばその不実な婚約者の名を借りて愛を語り、いつかは。

ここが冒頭にあるのだから、この「文通」でのエピソードはもっと丁寧に描いてほしかった。

つまりね、冒頭にある不遇なヒロインなんぞとくに必要ないんですよ。
せいぜい家が困窮していて伯爵とは名ばかりで、貴族としての体面を保つのもそろそろ限界…というくらいの設定でよかった。

展開が雑というのは、手紙のやり取りがちょっとあって、婚約破棄の流れになって、ルディがユリアーノんちに押しかけて、義父を拘束、ってのが立てた板に水を流す勢いで早すぎるんですよ。

結局「シラノ」なんてなかったんや…というもったいなさ。


あれよあれよとユリアーノは公爵家に連れてかれて魔術を学ぶことになりっていう、くだらない「なろう系」の流れになっちゃったんですよ。

そもそもルディは初っ端からヒロイン大好きなんで、「恋が実る」過程も楽しめない。はじめから溺愛ありきなんて面白くもなんともないです。

絵と漫画の稚拙さもあいまって、先を読む気にはなれませんでした。

なにより、ところどころにある会話の不自然さ、日本語のおかしさが気になってしまってね。
これ、漫画描いているときに気づかないのかな?

冒頭からもうね、てんこもりでありますよ。

不自然というか、意味がわからんという言葉がほんとうに多い。

義理の姉がドレス縫ってこいと命令してヒロインがくちごもると
「裁縫もできないならせめて早く稼いでお金を仕送りなさいよ」
と文句をつけるんですよ


は???
仕送りって、ユリアーノは実家でメイド仕事してるのに、「稼いで、仕送り」ってなにをどうしろと?


そのあと、ユリアーノは内心むかついていて、
「あの二人が文句の一つも言えないくらい完璧に仕事をこなしてやる!」
「そしてわたしがいなくなった後、私という存在の大きさに気づいて感謝すればいいんだわ」


は??
いや、「感謝」て。そこ「後悔」じゃない?
というか、ユリアーノが出て行ったところでメイド雇えばいいんだし、別に困らんやろ。

手紙での文章もへんてこで
「もうすぐ君に会えるね。そう思うと私の胸はいっぱいになりとても苦しい」

くるしーんかーい!!
というかなにで胸がいっぱいになるんよ?
これはルディの偽手紙なので「苦しい」のはわからんでもないが、表現の仕方かあるでしょ
「君に会える」のは嬉しいのか苦しいのかどっちだよ。
いやこの手紙の文だけでつっこみどころ山ほどあるんだけど、この手紙を読んだ後ユリアーノは
婚約者の筆跡がいつも違うと思うんですよ。ところがすぐ次のコマで「久しぶりでドキドキする」と。

いやいや、そこはどきどきするまえに筆跡の違和感に気づいてたやろ。
せめて忙しいからあわてて書いたから筆跡が違って見えるのかとかなんでもいいのでその「違和感」をちゃんと読者にも感じさせてくださいよ、ドキドキするのがワンテンポあとでいいんですよ。「違和感」はここでは大事なんですよ。

そして次のページ
義父に「おい!ユリアーネ(略)~どういうことなんだ」
と詰問されるんですよ、届いた手紙をユリアーノに見せつけて。
そのユリアーノの返事が「はっ、はい」なんですよ。
いや、どういうことなんだ、という疑問になんで「はい」なの?
いったいなに、とモノローグでかかず、「何でしょうか」と問うところでしょう、手紙の内容知らされてないんだから。


もうね、この調子で1ページごとにといっても過言ではないくらいに言葉の不自然さ、会話の不自然さがあるんですよ。

過去のシーンでルディが雨宿りに軒下をかりようとした、でユリアーノがどうぞ屋内であたたまってくださいと声をかけるんですが、ルディは「そこまでしてもらわなくとも」とやんわり断るんですよ。
そこでユリアーノが返したのか
「騎士様がお困りなのに何もしなくては伯爵家の名が廃ります」

「何もしなくては」って何?何言ってんだマジで。
騎士様がお困りなのに何もせずに放っておくわけにはいかない、ということを言いたかったんでしょう。
そして「名が廃る」の使い方ってここでは不適切なんですよ。
間違ってるとまではいいきれませんが、あえて言う必要がないんですよ。
恩着せがましいでしょ、「伯爵家」をアピールしてるんですよ、これ。

ここはユリアーノのやさしさをアピールしたいんなら「伯爵家の名が廃る」なんていわず、ユリアーノ自身の「親切」として
「騎士様をこのまま放っておくなんてできません、どうか私のためと思って休んでいってください。大したおもてなしはできませんが、タオルくらいはお貸しできます」でもなんでも、いいんですよ、テキトーなこといって入ってもらえばいい。


もうこれに類する、言葉の足りなさと、言葉の恩着せがましさが鼻について…

だいたいルディはこのユリアーノが好き好きなんですが、なぜ好きなのかがさっぱりわからないんですよ。

いやね、ごくふつうに「いい子だな、好きだな」くらいならわかるんですよ。
女神だなんだとほめたたえるほどに好きな理由がわからない、という意味で「わからない」んですよ。


そして展開が早いと上でも書きましたが、ルディはユリアーノの義父を拘束するに至るんですが、その理由が「虐待してたから」なんですよ。

いやまあ、いいですけど。
せめてそこは「傷害罪・暴行罪」にしてほしかったし、この「拘束」にいたるまでのきっかけも書いてほしかった。
情報収集してる素振りもないのに、どうして「虐待」を知ってたんだよっていうご都合展開が過ぎるんですよ。

ユリアーノを自分の婚約者にするために先に義父のサインをさせたのはいいんですよ。そこからの不意打ちで「逮捕」というのは良かったと思います。
でもユリアーノの義理の姉をなんでおいてっちゃう?
「拘束」はしなくてもいいけど、事情徴収のために「連行」させるのが筋ってもんじゃない?


ここらはまあ、漫画家さんが動きのある絵が描けないからなんでしょうけどね…
この漫画家さんも絵が描けない人なので、「描ける絵」だけしか描かないんですよ。
なので、伯爵家とは到底思えない貧相な「屋敷」になるし、「屋敷」に踏み込む騎士団というのも描けないんでしょう。義父を拘束して、さらに義理の姉の身柄も確保、連行、なんて絵も描けないんでしょう。


ここらは漫画家さんが「描けない」からこその、バカげたシーンになってます。

その後公爵家でのお食事会もお遊戯会みたいで

ルディの父が言うんですよ、スープ飲んで「まるでできたいのようだ」みたないこと。

いや、そらそーでしょ?
作りたて運んでるんですからべつにユリアーノの魔法なんて関係ないやん?

それこそ「毒見」でもしてて、そのためいつも料理がひえひえってんならわかりますよ?でもそんな説明ないですし。

それならお茶の時間でもなんでもいいので、お茶しながら話していたらすっかり茶が冷えてしまった、そこへユリアーノが魔法でちょちょいと温めなおす、というのをルディ達の「目の前で」やればいいんですよ。

たぶんこれも漫画家さんが描けないのかなと…いやわかりませんが。

そんなこんなで、とにかく話の作り方が全体的に雑なんですよ。

コミカライズしたはいいけど、見直してませんよね?
原作は未読なのでわかりませんが、大筋がこんななら、どちらも期待できないかなと。

原作は読んでいないので感想は延べられませんが、すくなくともコミカライズ版はとてもじゃないけれどお勧めはできないです。

赤ペンチェックしたい方向けではあるかな…





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最終更新日  2025.12.02 22:00:04
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