読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2008.07.05
XML
カテゴリ: 小説
宮尾登美子さんは、大好きな作家の一人です。

それはなぜかというと、彼女の文体には独特のリズムがあって、その息の長さが妙に心地いいと感じるからです。
たとえて言えば、蜂蜜か水あめのように、スプーンからとろとろとろとろつながって落ちて切れ目がありません。水あめの滝は透明だけど密度が濃くて、表面はあくまでもつるつるに光っています。光があたるときらりと鋭い光を照り返してきて、気の強いところを見せてくれます。とぎれのない水あめの滝の、意外とくどくない甘みが、私の心のぴたっと寄り添ってくれるような快感。宮尾登美子の文体はいつも私を酔わせてくれます。
楚々としていながら強靭なものを感じさせる、宮尾登美子さんの容姿そのもののような気がします。


さて、私がこの水あめ感を強く感じるのは、特に「櫂」から始まる自伝的4部作なんですが、「天璋院篤姫」もまた、その心地よさに浸ることができました。
が、実を言うと、期待していたほどどっぷり漬かることはなかった・・・
というのも、やっぱり幕末という時代、大きく動く歴史に女性の出る幕はなかったというところでしょうか。もちろん、大奥の御台所という立場から、政治にも介入した唯一の女性というのは分かっています。それにしても本人は表には一歩も出ず、人づてに情報を得るだけ。資料も極端に少ないことでしょうし、どうしてもその時代の面白さと比べて、退屈な感じがしました。幕末は、やっぱり表(男社会)がおもしろいんですね。
 でも、大奥がどんなところかというのは、なかなか面白かったです。なんて華麗で窮屈な世界なんでしょう。大奥というドラマや映画もあったそうだけど、ちょっと見たいなと思いました。


賢くて考え深い御台所だったり、怖そうなおばちゃんだったり・・・とかね。


余談ですが、宮尾登美子さんの本の中で、私が一番好きなのは、「天涯の花」です。可憐という言葉を文学にしたらこうなったというくらい、可憐な物語です。
宮尾登美子初心者さんには、「篤姫」よりも「天涯の花」をお勧めします。




も一つ余談です。
宮尾登美子文学記念館というのが、北海道にあるそうです。なんで北海道に?!って思いますよね。執筆のために一時北海道に住んだことがあって、その縁でできたそうです。
でも!私はやっぱり高知に作って欲しかったって思います。
やっぱり誰がなんと言ったって、高知以外にありえないじゃないですか?!!!





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.07.06 06:33:58
コメント(12) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: