読書の部屋からこんにちは!

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2008.09.23
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カテゴリ: 小説
前回読んだ本が 「殺人症候群」。
殺人の被害者遺族が、加害者に復讐するという話でした。
次は何を読もうかなと図書館でぶらぶらしていたときに、目に入ってきたのがこの文庫本です。裏表紙に小さな解説があるでしょ。そこに

「事件の加害者となった人間以外は全て、被害者になってしまうのではないか。その爆風ともいえる影響が、果たしてどこまで広がるものか、どのように人の人生を狂わすものかを考えたかった。」 とありました。

本をぶらぶらと探すとき、ときにこんな不思議としか言いようのない出会いがあるものです。
ちょうど私の心が前の本の余韻から離れられないでいるときを狙って、本が私を呼んでくれたとしか思えないような、そんな本との出会い。



そして、もちろん借りて読みました。
もう、とびきりに面白かった!
「殺人症候群」がぶっとぶくらい、かすんでしまったくらい、こっちの方が断然おもしろかったです。


その日、夜になっても学校から帰ってこない母を一人で待つ次女。
姉は家庭内暴力。父は週末毎の接待ゴルフ。愛人もいるらしい。
でも、お母さんは優しいいいお母さん。
ひとりぼっちでお母さんを待っているそのとき、お母さんはもうこの世にはいませんでした。
まさに爆風としか言いようのない環境の変化に翻弄されるばかりの、家族たち。
暴かれるお母さんの秘密。
容疑者はつかまるけれど、今度は延々と続く裁判。
無罪を主張する容疑者と辣腕弁護士。刑事たちの執念。
加害者の家族もまた、苦しさから崩壊転落していきます。
普通の犯罪小説ではあまり描かれない、加害者と被害者の家族の苦しみがこの小説の主題で、遺族の再生を見届けようとする一人の新聞記者が、この物語で唯一の冷静な第三者として、物語をまとめていきます。


犯罪小説とはいえ、乃南アサさんならではの緻密な心理描写が、すばらしい。

直木賞を受賞された「凍える牙」もいいけれど、私はこっちの方が100倍好きです。





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Last updated  2008.09.23 06:33:11 コメント(8) | コメントを書く


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