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私はこのような「世界をひとつの物差しで見る」という視点が広まっていくことに深い危機感を抱いています。
私はタバコを吸わないが、最近の禁煙運動は徹底的に過ぎる感じは受けている。寒い冬の日、屋外で背中を丸めながらタバコを吸っている人たちを見ると、哀れみを感じる。
もし、私が好きなコーヒーには発がん性があり、その湯気を吸うだけでもがんになると言われたらどうだろう。寒風吹きすさぶビルの庭で、同じように背中を丸めながらコーヒーをすすらなければならなくなるのだろうか。
本書の著者は「タバコが喫煙者自身の健康を害することがあるということ自体に異論があるわけではありません」(77 ページ)と立場を明確にした上で、「このような「世界をひとつの物差しで見る」という視点が広まっていくことに深い危機感を抱いて」いるという(39 ページ)。さらに、タバコの煙や副流煙にが危険だとする論文に対し、どこまで科学的なものかという疑問を呈している。
どうやら、世論が揃って一方向に舵を切っている時には、著者のような考え方をした方が良さそうである。
■メーカーサイト⇒ 室井尚=著/平凡社/2009年06月発行 タバコ狩り
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